ヘルスケアNEWS

「むくみ」は足だけの問題ではなく、
「血行不良」が原因!
悪化すると血栓ができたり思わぬリスクも!

「むくみ」とは皮膚の下に余分な水分が溜まった状態のこと。正式な病名・症状名ではなく、医学的には「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれます。私たちの体は約60%が水分で構成されていますが、約40%は細胞の中に、約20%は細胞の外にあると言われています。細胞の外にある水分は細胞に栄養を届けたり、老廃物を除去するだけでなく、細胞や血管の中を行き来して体内の水分のバランスを保つ働きをしていますが、このバランスが崩れると細胞と細胞の間に水が溜まり「むくみ」になると考えられています。

「バランスを崩す」原因と言われているのが「血行不良」。血流が正常だと血液とともに体内の水分もスムーズに循環するため、特定の場所に溜まることはないのですが、血流が乱れると水分を巡らせることができなくなるため「むくみ」に!とくに足に「むくみ」が出やすいのは心臓から最も遠い位置にあり、「血行不良」になりやすいから。また重力の影響で下半身に水が溜まりやすくなることも原因のひとつと考えられています。

「むくみ」は靴が履きにくくなる、見た目が気になる…などの悩みにつながりやすいものの、歩けなくなるなど日常生活に重大な影響を与えることは考えにくいため放置されがち。ですが、「いつものこと」「体質だから」として対策をしないと思わぬリスクが!もともと「血行不良」が原因であるため、血栓ができたり、静脈が変形し浮き出てしまう「下肢静脈瘤(りゅう)」になることも。また、腎臓や肝臓の機能低下など病気のサインということもありえるので、たかが「むくみ」と油断せずに早めの対策をおすすめします。

「むくみ」は女性に多いと言われていますが、コロナ禍の生活様式の変化で男性の約4割近くがむくみに悩んでいるというデータも!そこでどんな方が「むくみやすい」のか、簡単にできるセルフチェックをご紹介。

1.座りっぱなし、立ちっぱなしなど同じ姿勢で
いることが多い
2.くつろぐ時は横になることが多い
3.手足を触ると冷えている
4.運動はほとんどしない・嫌い
5.塩分の多い食事が好き
6.疲れやすいほうだ

2つ以上あてはまる方は「むくみやすい」ので注意を!
気になる方は足の「すね」を手の指で5秒間強く押してみましょう。10秒たっても元に戻らなかったらむくんでいるので、同じ状態が1~2週間毎日続くようなら医師に相談すると良いでしょう。
一時的な血行不良による「むくみ」であれば生活習慣の改善で対策できますが、慢性的な血行不良や腎臓などの機能低下の場合は医師の治療が必要なため、早期発見&早期対策を心がけましょう。

■「むくみ」は生活習慣の見直しで改善できる!5つの「対策法」とは?!

一時的な血行不良による「むくみ」は生活習慣を見直すことで改善&予防ができます。
今すぐ取り組める対策法をご紹介!

1.同じ姿勢にならないよう工夫する
2.体を冷やさないようにする
3.できるだけ毎日運動をするように心がける
4.塩分はできるだけ控える
5.適度に水分補給をする

長時間の立ちっぱなし、座りっぱなしなど「同じ姿勢」でいることは血行不良の原因となるのでできれば30分に一度はトイレ休憩をはさむなど、工夫することが◎。仕事の都合上、難しい場合は足首や手首を軽く回す、休憩時間になったら少しでも歩くなど、血液の循環を高めるよう心がけましょう。家ですぐ横になってしまう方は、同じ体勢にならないよう注意を!トイレや飲み物を取りに行ったりするなど30分~1時間に1回は動くようにしましょう。

「冷え」は血流を悪くするので、体は冷やさないことが大切!衣類で調節をしたり、冷たい飲み物をあまり摂りすぎない、毎日湯船につかって入浴するなど「血流を高める」工夫をすると良いでしょう。とくに足先は冷えやすいので5本指ソックスなどを履くとGOOD。むくみ解消の着圧ソックスなども良いですが、自分に合わないとかえって血行不良を加速させることもあるので注意が必要です。

3.の運動は「血行不良」改善にかなり効果的!ウォーキングは「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎを刺激するため、1日15~20分程度でも実践するほうが良いですが、運動が苦手・時間がないという方は「階段」を使うことがおすすめ。ふくらはぎに加えて、全身に血液や水分を巡らせる「太もも」を刺激することもできるので一石二鳥です。
また、体には体内の塩分濃度を調節する働きがあります。塩分の多い食事を摂りすぎると体は水分を溜め込み塩分濃度を下げようとするため、「むくみ」につながると言われています。過剰に控えることはありませんが、麺類のスープは飲み干さない、醤油やソースなどは料理にそのままかけず、取り皿に入れてつけるなど、ちょっとした工夫で減塩をすることができます。
5.の「水分補給」について、「むくみ」は体内に水が溜まることで起きるため、水分は控えたほうが良いと考えられがちですが、「血行不良」で体に水分が巡っていないだけなので、無理に控えるのはNG!体内の水分量が減らないよう、こまめな水分補給を心がけると良いでしょう。

「塩分を控える」ことは「むくみ」に効果的ですが、デトックス効果が高いカリウムを含む食材を一緒に摂るとさらに有効な対策になると考えられています。カリウムは納豆やアボカド、枝豆やイモ類などの野菜に多く、中でもほうれん草は血流改善に良い鉄分や葉酸も含まれているので一石二鳥の効果が。カリウムは水に溶けやすい性質のため、スープに加えて汁ごと飲めるメニューに活用すると◎です。

さて、ここでクエスチョン!

「むくみ」など足のトラブルは生活の質にも関わるため、早めの対策が必要。自分にあった「靴」を履くことはトラブルの予防につながると言われていますが、「靴」の選び方で正しいものはどれでしょうか?

〈1〉「つま先」より「かかと」がぴったりの
「靴」を選ぶ
〈2〉「かかと」より「つま先」がぴったりの
「靴」を選ぶ
〈3〉「つま先」も「かかと」もぴったりの
「靴」を選ぶ

「靴」を選ぶ際、最も重要と言われているのが「かかと」がぴったりかどうか。

試着をすると「つま先」がぴったりなものを選びがちですが、「つま先」だけで選んでしまうと「かかと」が緩くなっていることが多く、足が滑ってしまい歩くたびに負担がかかります。

「つま先」は5~10mm程度の余裕があるほうが◎。足の大きさは「むくみ」だけでなく、体調によっても微妙に変化すると言われているので、「つま先」は少し余裕があるものを選び、気になる方はインソールなどで調整すると良いでしょう。

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