1日の糖質摂取量は何グラムが目安?摂りすぎ・不足による影響も解説
ダイエットや健康的なからだづくりを意識している方にとって「糖質」は気になる栄養素のひとつではないでしょうか?
最近では、糖質の摂取量を制限する食事法なども注目されており「糖質を摂りすぎるのはからだに良くないのでは?」と感じている方も多いでしょう。
しかし、糖質は私たちが活動するために欠かせない栄養素でもあります。
そこで今回は、1日あたりの糖質摂取量の目安量や、摂りすぎや不足によるリスクなどを詳しく解説します。
糖質を意識した食事レシピや健康のための生活習慣なども紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
糖質とは
糖質は、炭水化物に分類される栄養素です。
炭水化物には、糖質と食物繊維の2つがありますが、このうち糖質は私たちが活動するためのエネルギー源となる大切な栄養素です。
一方で食物繊維は、体内で消化されることのない栄養素で、腸内環境を整えたり脂質や糖、ナトリウムなどを体外に排出したりする働きがあります。(※腸内環境を整える食べ物について、詳しくは腸内環境を整えるには「食べ物」の見直しがカギ!5つの効果やおすすめの改善方法も紹介をご覧ください)
糖質は、単糖類、二糖類、多糖類、糖アルコール、そのほかの糖質に分類されます。
糖質は、ご飯やパン、麺類といった主食や砂糖を含む菓子やジュース、清涼飲料水、果物、イモ類などに多く含まれています。
(参照元)厚生労働省|炭水化物 / 糖質、厚生労働省|食物繊維
1日にとっていい糖質摂取量はどのくらい?
1日あたりの糖質の摂取量の目安は、性別や年齢、日々の身体活動量によって異なりますが、1日のエネルギー量の50~60%を糖質から摂取するのがひとつの目安になります。
【性別・年齢別】1日あたりの糖質摂取量の目安
年齢・性別ごとの1日あたりの糖質摂取量の目安を、以下の表にまとめました。
性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
30~49歳 | 約388g | 約295g |
50~64歳 | 約374g | 約280g |
(※参照)厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)に記載のデータを用い、当社にて算出
上記の数値は、あくまで糖質摂取量の目安です。運動習慣があり、定期的にからだを動かしている方は消費エネルギー量も多くなるので、その分1日あたりの糖質摂取量の目安も増えます。
しかし、糖質の摂取目安量だけを見ていても、実際のイメージが湧きにくいでしょう。
そこで、ここからは具体的に1日の食事の例をあげて、どのくらいの糖質が含まれているのかを説明していきます。
以下の表は、成人男性の1日の一般的な食事の例です。
3食 | 献立 | 糖質量 |
---|---|---|
朝食 |
・おにぎり1個(約53g) ※白米お茶碗一杯分 |
約53g |
昼食 |
・ラーメン(約65g) ・チャーハン(約74g) |
約139g |
夜食 |
・お寿司10皿(約161g) ・小うどん(約58g) |
約219g |
合計 | 約411g |
(参照)小田原雅人|目で見る食品糖質量ハンドブック学研プラス,2021、文部科学省 科学技術・学術審議会 資源調査分析会|日本食品標準成分表2020年版(八訂),2020.
一見、よくある献立に思えますが、実はこのメニューでも、成人男性の1日の糖質摂取量(388g)の目安をオーバーしてしまいます。
この食事例では、おにぎりやチャーハン、お寿司といったご飯ものに、ラーメンやうどんなどの麺類を組み合わせているので主食が多くなり、糖質量が増えてしまっているのです。
糖質の摂取量を抑えるためには、献立の内容を見直して、糖質を多く含む食品に偏りすぎないように注意することが大切です。
そして、糖質量を意識した食事を心がけたうえでより効率的にケアをしたい方は、糖の吸収を抑えるサプリメントなどを取り入れる方法も検討してみるとよいでしょう。
1日に糖質を摂りすぎることで起こり得るリスク
糖質は、私たちが活動するための大切なエネルギー源となる栄養素です。
しかし、過剰に摂取してしまうと、消費できなかった糖質が中性脂肪として蓄積され、肥満や生活習慣病の原因につながる可能性があります。
また、糖質を多く含む食事をとると、血糖値が急激に上昇します。
通常であれば、食後数時間で血糖値はもとの値に戻りますが、糖質が多い食事を頻繁にとったり、間食に砂糖を多く含む甘い菓子などを食べ続けていたりすると、血糖値が上手く下がらなくなってしまいます。
その結果、動脈硬化や糖尿病などのリスクも高まってしまうため注意が必要です。
(参照元)国立研究開発法人 国立循環器業研究センター|栄養に関する基礎知識、厚生労働省|炭水化物 / 糖質、一般財団法人日本予防医学協会|食欲の秋!糖質は減らしすぎない!
1日の糖質摂取量は少なすぎてもNG!足りないとどうなる?
糖質の摂取量が少ないと、エネルギーが不足して疲れやすくなったり集中力が下がったりする可能性があります。
また、糖質が不足していると、糖質の代わりにたんぱく質がエネルギー源として消費されるため、筋肉量の低下や基礎代謝の低下を招くリスクもあります。
健康的なからだづくりのためには、1日あたりの糖質摂取量の目安を正しく把握し、糖質を摂りすぎや不足に注意することが大切です。
以下の記事では、正しい糖質制限の方法を紹介していますので、合わせてチェックしてみましょう。
糖質制限のやりすぎはデメリットだらけ? 1日のグラム数・正しいやり方を理解しよう
(参照元)厚生労働省|炭水化物 / 糖質、一般財団法人日本予防医学協会|食欲の秋!糖質は減らしすぎない!
適切な糖質摂取量を目指すための献立のポイント~レシピ付き~
毎日を健康的に過ごすためには、食事の糖質量だけではなく、脂質やたんぱく質、ビタミン類、ミネラル類などの栄養バランスをとることも意識しましょう。
脂質やたんぱく質は、糖質と同じく活動のためのエネルギー源となる栄養素です。また、たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、髪などの構成成分であり、生命維持に欠かせません。さらに、ビタミン類やミネラル類は、人のからだの機能を正常に保つ働きのある重要な栄養素です。
こうした栄養素をバランスよく摂取するためには、主食・主菜・副菜を中心とした献立を意識するのがおすすめです。
糖質はご飯やパン、麺類といった主食に多く含まれているため、たんぱく質やビタミン、ミネラルが摂れる主菜や副菜を組み合わせます。
また、間食は砂糖が多く使用されている甘い菓子類は避けて、無糖ヨーグルトやナッツ、または甘さ控えめの手作りスイーツなどを取り入れるとよいでしょう。
ここからは、栄養バランスと糖質を意識しながらも、食べ応え満点な主菜や副菜、スイーツのレシピを紹介します。
レシピ① 主菜におすすめ!薄切り豚肉のミルフィーユかつ
がっつり食べたい日にもおすすめの糖質をオフした「薄切り豚肉のミルフィーユかつ」です。
糖質量の多い揚げ物の衣を、粉チーズと高野豆腐で代用することで、糖質をオフします。かつの中にはチーズや大葉などが入っていて味がついているため、ソースやケチャップをつけずにそのまま食べましょう。
1人分
・糖質: 0.6g
・たんぱく質: 31.1g
・カロリー: 742kcal
<材料※2人分>
・豚ばら肉: 250g
・塩・こしょう: 各適量
・しそ: 6枚
・スライスチーズ: 2枚
・薄切りハム: 2枚
・粉チーズ: 大さじ2
・溶き卵: 1個分
・高野豆腐: 2個
・揚げ油: 適量
<作り方>
- 1. 豚肉は折りたたまれているものは広げ、塩・こしょうする。トレーの上に豚肉をのせ、トレーからはみだした状態にする。
- 2. 1の豚肉の上に、しそ、スライスチーズ、ハム、しそを重ねていき、トレーからはみだしている豚肉を折りたたみ、サンドする。
- 3. 高野豆腐はポリ袋に入れ、すりこぎなどでたたき、粉状にする(ザクザクした衣の食感にしたい場合は粗めにする)。
- 4. 衣を付ける。2の豚肉を、粉チーズ、溶き卵、3の高野豆腐の順に付けていく。
- 5. フライパンに揚げ油を入れ、4のとんかつをすべらせるようにそっと入れ、180度で両面がきれいな色になるまで5~6分ほど揚げる。
- 6. 火が通ったら取り出し、4等分に切って器に盛る。
レシピ② 副菜におすすめ!サーモンとアボカドのポキ ユッケ風
「サーモンとアボカドのポキ ユッケ風」は、彩りが良く華やかなので、おもてなし料理にもおすすめです。
アボカドはビタミンEが豊富で、抗酸化作用もある低糖質食材です。手軽に作れるメニューなので、作り置きにもおすすめです。
1人分(作り置きの1/4量)
・糖質: 2.1g
・たんぱく質: 20.7g
・カロリー: 382kcal
<材料※約2人分×2回>
・サーモン(生食用): 300g
・塩: 小さじ1/2
・アボカド: 1個
・きゅうり: 1本
・レモン汁: 小さじ2
・青ねぎ: 少々
[A]
・レモン汁: 小さじ2
・しょう油: 小さじ1
ユッケたれ(2人分)
[B]
・しょう油: 小さじ2
・ごま油: 小さじ2
・七味唐辛子: 少々
・卵黄: 2個
・糸唐辛子: 少々
・白ごま: 少々
<作り方>
- 1. サーモンは塩を振ってしばらく置き、余分な水分と臭みを抜く。キッチンペーパーで水気をふき取り、2cm角に切る。
- 2. アボカドときゅうりは1.5cm角に切る。切ったアボカドにはレモン汁をかけ、変色を防ぐ。青ねぎは小口切りにする。
- 3. ボウルに1のサーモン、2のアボカドときゅうりを入れ、Aの調味料と2の青ねぎを加えて全体を和える(作り置きの場合はここで保存容器へ)。
- 4. ユッケ風にアレンジする。ボウルに3の半量と混ぜ合わせたBの調味料を加え、和える。※残りのポキはそのままで召し上がれます。また違ったアレンジを加えてもよいでしょう。
- 5. 器に4を盛り、上に卵黄をのせ、糸唐辛子と白ごまを散らす。
レシピ③ 甘さ控えめスイーツ!簡単ティラミス
ダイエット中でもスイーツを食べたい!という方におすすめなのが、こちらの「簡単ティラミス」です。
無糖ヨーグルトをベースに、くるみの自然な甘みと食感がアクセントになったさっぱり味のスイーツで、ダイエット中でも食べやすいでしょう。
1人分
・糖質: 7.9g
・たんぱく質: 7.4g
・カロリー: 264kcal
<材料※2人分>
・マスカルポーネチーズ: 100g
・無糖ヨーグルト: 200g
・インスタントコーヒー(粉): 小さじ1/2
・くるみ: 15g
・ココアパウダー(無糖): 適量
<作り方>
- 1. くるみは食べやすい大きさに砕く。インスタントコーヒーを少量の湯(分量外)で溶いたものを作り、冷めたらそこにくるみを加え、混ぜ合わせておく。
- 2. グラスにマスカルポーネチーズ・無糖ヨーグルトを交互に重ね、層を作る。層を重ねる度にココアパウダーを振ると、層がはっきりしてキレイなできあがりに。
- 3. 何層か重ねたら、いちばん上に1のくるみをのせ、上からココアパウダーをかける。
(参照元)厚生労働省|たんぱく質、厚生労働省|ビタミン、厚生労働省|ミネラル、農林水産省|「食事バランスガイド」について
食事だけじゃない!健康的なからだを目指すためにできること
健康的なからだを目指すためには、糖質量と栄養バランスを意識した食事だけではなく、日々の生活習慣も見直すことが大切です。とくに、適度な運動と質の良い睡眠は、健康のためには欠かせません。
ここからは、運動や睡眠のポイントについて紹介します。
適度な運動を習慣化する
ダイエットや健康維持のためには、適度な運動習慣を取り入れましょう。
運動を習慣化することで、日々の消費エネルギー量が増えて、体脂肪の減少につながります。また、運動は生活習慣病の予防にも効果的です。
とくに、体内の脂肪をエネルギー源として消費できる有酸素運動は、ダイエットを意識している方におすすめの運動です。代表的な有酸素運動には、ウォーキングやジョギング、ランニング、スイミング、サイクリングなどがあります。
さらに、引き締まったからだを目指したい方は、狙った筋肉にアプローチできる筋トレにも挑戦してみましょう。筋トレを行うことで、気になる部分を鍛えて筋肉量を増やし、痩せやすいからだづくりにつなげることができます。
まずは、手軽に始められるウォーキングや、自宅でできるプランクやスクワットなどの筋トレを取り入れてみましょう。
なお、脂肪燃焼に向けた運動のポイントは次の記事でも詳しく紹介しています。
脂肪燃焼するにはどうしたらいい?メカニズムや効果的な運動方法、食生活のポイントなど解説
(参照元)厚生労働省|健康日本21(身体活動・運動 )身体活動・運動、厚生労働省|ウォーキング
質の良い睡眠を取る
睡眠不足は、健康に悪影響を与えるだけではなく、実は肥満とも深い関りがあるのです。
「睡眠不足になると、甘いものや高カロリーのものを食べたくなる」という経験をした方も多いのではないでしょうか。
十分な睡眠時間を確保し、質の良い睡眠を取ることは、肥満の予防にもつながります。
睡眠の質を高めるためには、適度な運動を取り入れ、就寝の2~3時間前に入浴してからだをあたためておく方法などが効果的です。
また、就寝前はパソコンやスマホでの作業、カフェインやアルコールの摂取は控えましょう。
(参照元)厚生労働省|睡眠と生活習慣病との深い関係、厚生労働省|成人のためのGood Sleepガイド
まとめ
糖質は、私たちが活動するためのエネルギー源となる重要な栄養素ですが、摂取量には注意が必要です。
糖質の摂取量が多すぎると、肥満や生活習慣病のリスクが高まります。一方で糖質の摂取量が不足すると、疲れやすくなり集中力が低下する可能性があります。
健康的なからだづくりのためには、1日の糖質摂取量の目安を把握し、栄養バランスの取れた食事を意識することが大切です。さらに、適度な運動や質の良い睡眠も心がけましょう。
これらを意識したうえで、より効率的にケアをしていきたい方は、糖の吸収を抑えるサプリメントを取り入れる方法も検討してみてくださいね。