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「便」は「腸内バランス」「腸の動きを知る」健康のカギ!
いつもより「便が硬い・柔らかい」場合は自律神経の乱れかも?

「便」は大腸で作られ、排出されます。「食べカス」というイメージが強く、汚いもの・余分なものとして敬遠しがちですが、実は便は単なる「食べカス」ではありません。一般的に健康な方の「便」は約80%が水分、残り20%に消化されなかった「食べカス」、腸壁からの分泌物、大腸菌など「生きた腸内細菌」が含まれていると言われています。
個人差はありますが、1回の排便で出される腸内細菌は約1兆個!腸内細菌には体に良い働きをすると言われる善玉菌、数が多いと悪影響を与える悪玉菌の他、腸内細菌の半数以上を占める日和見菌があります。そして、一般的に善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見菌が7割の状態だと「腸内バランス」が保たれ、「健康な腸」と言われています。つまり「腸内細菌の数」を知ることが、「腸内バランスを知る」カギ!なのです。
「便」には大量の腸内細菌が含まれているため、「便」を見れば腸内細菌のバランスを知ることができます。腸は第二の脳、最大の免疫器官と呼ばれている「健康の要」。だからこそ「腸」の状態をダイレクトに知ることができる「便」は「健康のバロメーター」と言われているのです。

このように「健康のバロメーター」や「カラダからのお便り」と言われる「便」ですが、どのような「便」であれば良いのでしょうか?チェックするポイントはズバリ

「硬さと形」・「ニオイ」・「色」

です。
まずは「硬さと形」。これは「便」に含まれる「水分量」がカギとなります。

≪水分が80%→健康な状態≫
練り歯磨きくらいの硬さでバナナのような形と大きさ、
バナナ1~2本分の量、とぐろを巻いている状態も◎

一般的にこの状態を「バナナ便」と言い、理想の「便」としています。またバナナのような形と大きさだけど表面が少し割れている「やや硬い便」、形は留めているが「やや柔らかい便」についても問題のない範囲と考えられています。一方、

≪水分が60%以下→便秘の状態≫
・ウサギのフンのようなコロコロした便
・形になっているがコロコロした塊がたくさんくっついたような便

≪水分が90%以上→下痢の状態≫
・泥のように形がはっきりしない便
・固形になっていない水のような便

だと要注意!
水分量は「便」が大腸の中を通過する時間で決まります。大腸の動きが遅いと腸内に留まる時間が長くなるため、便に含まれる水分が腸壁などに吸収され硬くなります。逆に速ければすぐに排出されるため、柔らかくなります。つまり「便の硬さ」が「腸の動き」を知る重要なカギ!この「腸の動き」を左右すると言われているのが自律神経ですが、ストレスなどで乱れると腸の動きも乱れ、水分量にも影響が!一般的にストレスが溜まると女性は便秘に、男性は下痢をする傾向があると言われているため、「いつもより硬い・柔らかい」と感じたら、「自律神経」が乱れているのかもしれません。

次に「ニオイ」。「便」は臭いと思いがちですが、水分80%のバナナ便であれば「耐えられないニオイ」と感じることは少ないと言われています。ツンと鼻をつく刺激臭がある・自分でも耐えられないと感じるほどのニオイであれば「悪玉菌」が多くなっていることが考えられます。このニオイの元はたんぱく質などが悪玉菌によって分解された時に発生するインドール、硫化臭、アンモニアなど。つまり「臭いが強ければ強いほど悪玉菌が多い」状態ため、注意が必要ですが、あまりにも強い腐敗臭が続く場合はすい炎や慢性腸炎など病気の可能性があるため、医師の診断を受けると良いでしょう。

最後のポイントは「色」。理想的な「色」は「黄色・黄土色・黄褐色」とやや明るめ。
腸内に留まる時間が長ければ長いほど「便」の色は濃く、黒っぽくなりますが、便秘状態だったり、肉や卵をたくさん食べると濃くなるなど「色」は「食べたもの」でも変化するため、「色が濃い・黒っぽい」からといて即問題となることはありません。
注意したいのは以下の3つ

・灰、白→肝臓の働きが弱まっている可能性が。胆石、急性肝炎、すい臓の病気の恐れも
・黒色 →胃や十二指腸から出血している可能性が。真っ黒な便(タール便)は胃がんや大腸がんの恐れも
・赤色→鮮やかな赤色で、ふいた紙も赤くなる場合は「痔による出血」、赤褐色の場合は腸の病気の可能性が

この場合はすぐに医師の診断が必要なため、病院へ行きましょう!

このように「便」は病気の早期発見ができるだけでなく、今以上に健康に、美しくいるためのヒントにもなります。毎日「便」の状態を確認し、「理想の便」を出すための努力をすることで病気にならないカラダを目指していきましょう!

■「毎日朝食後にトイレに行く」ことが「便活」には効果的!

具体的にどうすれば「理想の便」を出すことができるのか?「便活」法はコチラ!

・1日3食、決まった時間に栄養バランスの良い食事を摂る
・毎日、「朝食後はトイレに行く」習慣をつける
・腸の動きを活発にする「運動」を取りいれる
・「睡眠」は平日・休日に関わらず、しっかりと確保する
・ストレスを溜めないようリフレッシュすることを心がける

1日3食、決まった時間に摂ることは「便活」にもかなり効果的!なかでもカギとなるのが「朝食」。一般的に「朝食後」に便意をもよおしやすいと言われているため、朝食は決まった時間に摂り、便意をもよおしてない日でも「朝食後」にトイレに行くことが◎!習慣化していくと腸の排便リズムも整い、便意をもよおしやすくなると考えられているので、是非やってみましょう。

「運動」も腸の動きを活性化するのでGOOD。軽く汗をかくくらいの強度で、30分程度が理想的!ただ歩くのではなく、目線をしっかりと上げ、背筋を伸ばし、ゆったりとした呼吸を保ちながら歩きましょう。前かがみの状態で歩くと呼吸が浅くなり、腸が圧迫されてしまうため、逆効果になることもあります。
そして「自律神経の乱れ」が「大腸の動き」にも影響を与えるため、睡眠はしっかりと確保。なるべくストレスを溜めないように意識することも大切です!

おすすめなのが旬を迎える「明日葉」。お通じに良い食物繊維がたっぷり含まれている他、胃壁を守ってくれる働きもあるので「便活」にはぴったり!旬の時期には店頭に並ぶことも多いので是非試してみると良いでしょう。
「便活」には「善玉菌とそのエサとなる成分を摂る」ことが効果的と言われていますが、最近注目されているのが「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」。

「プロバイオティクス」とは「善玉菌」であるビフィズス菌や乳酸菌など、腸内環境を良い状態に保つ働きがある菌やその菌を含む食品のこと。「善玉菌」など腸に良い影響を与える菌そのものを摂ることで腸内バランスを整え、便通を良くすると考えられており、これらの菌を多く含むヨーグルトや味噌、納豆などの発酵食品が「プロバイオティクス」と言われています。
一方、「プレバイオティクス」は食物繊維やオリゴ糖など、腸内にいる善玉菌のエサとなり、増殖させる成分やそれを含む食品のこと。善玉菌のエサとなる成分を摂ることで、菌そのものを増やしてくれるため「育菌」とも呼ばれますが、該当する食材として明日葉やキャベツ、ゴボウ、コンニャク、バナナ、キウイなどがあります。
どちらか一方を摂るのも良いですが、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」を同時に行うことでさらに効果が高まることがわかっています。2つを同時に摂取することを「シンバイオティクス」といいますが、例えば刻んだ明日葉(プレバイオティクス)を納豆(プロバイオティクス)にのせて食べると「シンバイオティクス」になるので◎!

自分で組み合わせを考えるのは大変!という方はビフィズス菌サプリに画期的な「プレバイオティクス」成分として注目を集めているサラシアが配合されたサプリを活用するなど、毎日続けられる「便活」を実践すると良いでしょう。

さて、ここでクエスチョン!

「健康のバロメーター」として、最近「便」の健康が注目されていますが、「トイレ」を意味する「W.C」とはどんな意味なのでしょうか?

〈1〉Water Clean、ウォーター・クリーン
〈2〉Water Closet、ウォーター・クローゼット
〈3〉Wash Constipation、ウォッシュ・コンスティペイション(便秘)

正解は…

「W.C」とは「Water Closet」を略したもの。直訳すると「水の小部屋」「水洗の小部屋」という意味になり、海外ではほとんど見ることがありませんが、日本では古くから「トイレ」を意味する略語として使われています。

語源については諸説ありますが「水洗トイレ」が日本に輸入された際、従来の「汲み取り式トイレ」と区別するために使用された和製英語という説が有力なよう。

「W.C」が外国の方に馴染みがないこともあり、最近は日本でも「トイレ」「お手洗い」「化粧室」「rest room」と表記されることが増え、「W.C」は廃れ気味…と言われていますが、今でも地図や建築物の図面などでは使用されています。

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