マスクをつけると口元の温度が3度も上昇?!
コロナ禍で、普段「熱中症」にならない10~50代の発症が急増中!
「熱中症」とは厚生労働省の定義によると「高温多湿な環境に長くいることで、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態になる」こと。主な症状としてめまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感など。重症化するとけいれんや意識障害が起こり、最悪の場合、死に至ることもあります。
「熱中症」と聞くと「外出時」ばかりに意識が向きがちですが、屋外だけでなく「室内」で「何もしていなくても」発症するケースが!「熱中症」による死亡者の約8割がシニア世代と言われていますが、そのうち約半数が自宅で発症しているため、気温が高い日は 室内にいても注意が必要です!
このように連日猛暑となる夏は「熱中症」対策だけでも大変ですが、コロナウイルスの感染予防で今年の夏も「マスク」が手放せない模様…。「マスク」をつけると皮膚から熱が逃げにくくなり、口元の温度が3度ほど上がるというデータが!そのため、息苦しさを感じたり、熱がこもることで、熱中症リスクが高まることがわかっています。コロナ禍では人が集まる場所では、屋外はもちろんのこと屋内でも「マスク」をつける必要があるため、今年も工夫をしながら「感染予防」と「熱中症対策」の2つを両立させていくことがポイントです。
「熱中症」は体温調節が難しい乳幼児やシニア世代がかかりやすいと言われていますが、「マスク」をつけたまま外出をすることで今まで発症しにくいと言われていた10~50代の「熱中症」患者が増えていると言われています。「熱中症」は生活習慣や体質などによって発症リスクが高まると考えられているので、まずはご自身が「熱中症になりやすいタイプなのかどうなのか?」をセルフチェックしてみましょう。
・あまり「汗」をかかない
・あまり「水分」を摂らない
・過去に「熱中症」または「脱水症状」になったことがある
・あまり「運動」はしない、体を動かすのが苦手
・「めまい」や「立ちくらみ」を起こすことが多い
・毎日「お酒を飲む」習慣がある
・毎日「タバコ」を吸う
・朝食を抜くなど、「食生活」が不規則
・「肥満」気味
・「血圧を下げる薬」を服用している
・「心臓病、糖尿病、腎臓病、高血圧」など、持病がある
・「夏バテ」しやすい
・「睡眠不足」になりがち
4つ以上あてはまる場合は「熱中症」になるリスクが高いと言われているため、数が多かった方は食事・運動・睡眠など「生活習慣」を見直したり、「熱中症」対策をしっかり行って予防をすると良いでしょう。
■コロナ対策も熱中症予防もできる「3トル」とは?!
具体的な「熱中症」対策として厚生労働省の「新型コロナウイルスを想定した新しい生活様式における熱中症予防」によると
1.暑さを避ける
2.こまめに水分補給をする
3.日頃から体温測定、健康チェックをする
4.エアコン使用中もエアコンをつけたままこまめに換気する
5.暑さに備えた体作りをする
とされています。
やはり何よりも「暑さを避ける」ことが大切!外出する時は気温が高い日中はできるだけ避け、日傘や帽子を活用し、涼しい服装を心がけて。少しでも体調に異変を感じたら、涼しい場所に移動し、必ず水分補給を。また室内にいる場合も温度・湿度をこまめに確認し、暑いなと感じたらエアコンの温度を下げるなど、我慢をしないことが◎。 2の水分補給も「熱中症」対策にはかなり有効!「喉が渇いてから飲む」は基本NG。
自分では気づかないうちに脱水状態になっていることがあるので1時間ごとにコップ1杯程度、水分を摂ると良いでしょう。一般的に食事以外に1日当たり1.2リットルの水分の摂取が目安とされていますが、この数値にとらわれず、運動をする際、外出中はとくにこまめに!入浴前後、起床直後も必ず摂るように。また就寝中に熱中症を発症することもあるので「寝る前」にも水分補給をするとGOODです。緑茶やアルコールは利尿作用があり、かえって脱水状態になることがあるため、常温の水や経口補水液が望ましいですが、「水分を摂る」ことが重要なので、アルコール以外であればOKです。
毎朝「体温測定をする」など、健康チェックをすることもコロナ&熱中症予防に効果があります。たとえ平熱の範囲であってもいつもより体温が高い、体調が気になる場合は外出を控える方が良いでしょう。
そして4のエアコンをつけながら喚気をすることもコロナ禍の夏は是非実践して欲しい対策法です。喚気の方法としては窓とドアなど2カ所開ける、1カ所しか開けられない場合は扇風機や換気扇を併用すると良いです。3時間に1回程度が望ましいとされていますが、最低でも1日1回は喚気を!換気前はエアコンの温度を高めに設定すると消費電力が抑えられるので電気代の節約になります。
さらに暑くなり始めの時期から「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度を「毎日 30分、2週間程度」実践すると「体が暑さに慣れる」と言われています。ふだん運動をしていない方がいきなり行うとかえって体調を崩すため、まずは15分くらいから軽めのウォーキングなどを行い徐々に負荷をかけていくのが良いでしょう。その際は水分補給をしっかりと!くれぐれも無理をしないことが大切です。
続いて「マスク」について。
気温・湿度が高い中でマスクを着用すると、「熱中症」のリスクが高くなるため、
・屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクを外しても良い
・マスクを着用している場合は、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心掛ける。周囲の人との距離を十分にとれる場所で、適宜、マスクをはずして休憩する
としています。
少しわかりにくい…という方は最近、コロナ禍での「熱中症」対策として注目されている「3トル」で覚えておくと◎!「3トル」とは
距離を「とる」
マスクを「とる」
水分を「とる」
のこと。「コロナの感染」も「熱中症」も予防できるため、是非実践すると良いでしょう。
また上のセルフチェックで「食生活が不規則な方」が「熱中症」になりやすいタイプとしてあげられていましたが、「熱中症」対策として3食しっかりと、とくに朝食を抜かないことが重要と言われています。 夏は暑さで食欲不振になることが多く、知らず知らずのうちに栄養不足になりがち…。さらに大量の汗をかくことで塩分(ナトリウム)やカリウム、マグネシウムといったミネラルが急激に減少し、「熱中症」になりやすくなると言われています。 そこで毎日の食事からしっかりと補うことが大切ですが、特に夏場は味噌汁が◎!
味噌には夏に失われがちな塩分が含まれているため、味噌汁にすることで「熱中症」予防に効果的な塩分と水分が両方手軽にチャージできます。具としてカリウムを多く含む海藻やイモ類、キノコなどを入れればさらに予防効果が期待!朝は面倒な調理はしたくないという方も前日の夕食に味噌汁を作り置きするなど、工夫をすることで手間をかけることなく、暑さに強い体づくりをすることができます。
それも面倒!食欲がないから無理…という方は調理の必要がないトマトやバナナでカリウム補給を!熱中症予防には「朝食を抜かない」ことがポイントのため、少しでも何か口に入れて、塩分、カリウムなどを補っていきましょう!
さて、ここでクエスチョン!
今年も猛暑の予想。さらに「マスク外出」で今年も熱中症リスクが高まると言われています。「熱中症」は体内の水分や塩分が失われることで発症しますが、「汗」以外で失われる「1日の水分量」はどのくらいでしょうか?
〈1〉1,000ミリリットル程度
〈2〉1,800ミリリットル程度
〈3〉2,300ミリリットル程度
正解は…
一般的に成人の体の水分量は平均して約60%ほどと言われています。
これらの水分は血液などで活用&働くことで生命活動を支えているため、体内の水分が急激に減少すると「熱中症」など体に悪影響を与えると考えられています。
体内の水分は私たちにとって必要不可欠なものですが、「汗」をかかなくても尿として約1,200、便で100、さらに吐く息に含まれる水蒸気として約400、皮膚から蒸発する量として約600と何もしなくても1日に2,300ミリリットルほどの水分が失われることがわかっています。
また体内の水分量は年々減少し、シニア世代は約50%にまで落ち込むことも!「失われた水分」を補うには「外から補う」ことが最も重要なため、「こまめな水分補給」を心がけていきましょう!