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夏に眠れない理由は「深部体温が下がらない」ことが原因?!
「睡眠負債」が蓄積している?セルフチェックで今すぐ確認を

夏は1年で最も「睡眠不足」になりやすい季節と言われています。 なぜ「睡眠不足」に陥りやすいのか?その理由はいくつかありますが、最大の原因は「高温・多湿」により「体の内部の体温(深部体温)の低下」が妨げられるからと言われています。

人間の体は深部体温が上がると「活動的」になり、下がっていくことで「入眠」モードになると考えられています。しかし、夏は深夜まで気温や湿度が高い状態が続き、深部体温が下がりにくくなることで「夜になっても活動モード」の状態のままに!また、せっかく入眠できても深部体温が高いままだと目覚めやすくなり、「寝たいのに眠れない」「夜中に何度も起きてしまう」といった悪循環になってしまうのです。

近年、「睡眠不足」を表すキーワードとして「睡眠負債」という言葉が話題になっていますが、「睡眠負債」とはズバリ!「睡眠不足が続き、借金(負債)のように蓄積してしまう状態」のことを言います。「睡眠不足が続く」と聞くと3時間睡眠が1週間くらい続く…などをイメージしがちですが、実は毎日7時間程度の睡眠を確保できていても「睡眠負債」に陥っている方が多いと言われています。自分では7時間眠っているから大丈夫!と思いがちですが、何度も目が覚めるなど、「睡眠の質」が悪いと実際に眠れている時間は5時間以下になるなど、多くの方は充分な睡眠時間を確保できていないのが実情…。このような状態が続くと「睡眠負債」が蓄積し、朝からだるい、昼間にぼーっとする、やる気が出ないなど日中のパフォーマンスに影響を与えたり、不調につながると言われています。

人間は眠っている間に体の修復やホルモンの分泌などといった生命活動を行っているため、「睡眠負債」が蓄積するとこれらの働きにも悪影響が!免疫力の低下や肥満、糖尿病、高血圧など生活習慣病のリスクが高まることもわかっています。さらに夏の「睡眠不足」は「熱中症」や「夏バテ」になりやすいと言われており、夏こそ、「睡眠負債」を蓄積させないよう「しっかり眠る」ことを心がけたいものです。

とはいえ、「睡眠」は単に長く寝ていればよいというわけではなく、「質」も重要!また、きちんと「睡眠」がとれているかどうか?個人で判断するのは難しいと言われています。
そこで、「睡眠負債が蓄積しているかどうか?」簡単にできるセルフチェックをご紹介。

・暑くてなかなか寝られない(布団に入ってから30分以上寝つけない)
・寝ているとき、汗びっしょりになっていることが多い
・夜中に何度も目が覚める
・朝起きた時、体がだるい
・日中でも眠気がある、居眠りをしてしまう
・やる気が出ない日が多い
・イライラしやすい
・睡眠時間が日によって変わる
・休日に寝だめをしている

4つ以上ある方は「睡眠負債」が蓄積している可能性があり!ただちに問題となることはないですが、この状態がずっと続くと「熱中症」や「夏バテ」、「免疫力の低下」「生活習慣病のリスクが高まる」恐れがあるので、快眠できるよう対策をすると良いでしょう!

■「睡眠負債の解消法」に加え、「夏も心地よく眠れる対策法」を紹介!

具体的にどのような対策をすると良いのか?
まず、「睡眠負債」を解消するには「体内時計」を正常な状態に整えることが大切と言われています。そのため、

1.自分に必要な睡眠時間はどのくらいなのか?きちんと把握する
2.休日の寝だめはできるだけしない
3.眠る前にスマートフォンやパソコンなどをできるだけ見ないようにする
4.起床時、カーテンを開けて太陽の光を浴びる

を実践すると◎。

今、「朝からだるい」「日中眠い」方は「自分に必要な睡眠時間が足りていない」可能性があるので、睡眠時間を少しづつ延ばし、「自分の適切な睡眠時間」を把握することから始めましょう!「日中の活動に支障をきたさない」睡眠時間がわかったら、その睡眠時間を確保できるよう生活リズムを作っていくと良いでしょう。

「睡眠不足」だからと言って「休日の寝だめ」は×!かえって体内時計が乱れると言われているので、長くても平日の睡眠時間+2時間程度までに。それでも「眠い」という方は12~15時くらいまでの間に15分程度のお昼寝がGOOD。長く寝過ぎたり、15時以降に寝てしまうと夜の睡眠に影響を与えてしまうので要注意です。
3については現代人のライフスタイルを考えるとなかなか難しいかもしれませんが、「体内時計」を整えるには「オン・オフ」のメリハリをつけることが大切です。せめて起床時は4の「太陽の光を浴びる」や、「部屋の電気をつける」など、できることから続けていきましょう。

さらに、寝苦しい夏に実践して欲しい!「快適に眠ることができる対策法」はコチラ

1. 就寝2時間前くらいまでに入浴を済ませる、ぬるめの温度で20分程度が◎
2.エアコンを朝までつけっぱなしで眠る
3.長袖、長ズボンのパジャマを着て眠る

まずは1、寝る直前の入浴は深部体温が下がらず、入眠の妨げになるので、寝る2時間くらい前までに済ませるのがベター。高温のお湯も深部体温の低下に影響を与えるので、できれば38~40度のお湯に20分程度入るのがおすすめです。

寝る時はエアコンをつけっぱなしにするのが◎。室内の温度が高いと深部体温が下がらず、入眠できなかったり、途中でエアコンのタイマーが切れてしまうと寝ている間に深部体温が上がり活動モードになって目覚めてしまうので夏の快眠のためにはつけたままにする方が良いです。設定温度は28度前後にし、除湿や送風機能などを活用して「冷え過ぎ」に注意をすればOK。「エアコンは体に悪い」とつけっぱなしにするのを控える方も多いようですが、「睡眠」だけでなく、「熱中症予防」にもなるので上手に活用していきましょう!

そして寝る時は「長袖・長ズボンのパジャマ」を。吸水性や吸湿性に優れた麻や綿が◎。
夏は暑いからと言って短パン、半袖で寝る方が多いようですが、エアコンの風が直接あたると体の不調につながることもあるので、衣類で工夫をすると良いでしょう。ジャージやトレーニングウェアなどは機能的で良いですが、睡眠用に作られたものではないので睡眠に適さない素材だったり、寝返りを妨げるものもあるので、寝苦しい夏こそ、睡眠に適した「パジャマ」を選ぶのがGOODです。

さらに、質の良い「睡眠」に大きく関わる「体内時計」を整えるには毎日の食生活、とくに朝食をしっかり摂ることがカギと言われていますが。できれば起床後1時間以内に炭水化物とたんぱく質の両方を摂ると体内時計がリセットしやすくなるでしょう。

夏バテなどで胃腸が弱っていると朝はパンだけ、おにぎりだけ…という方も多いですが、パンを食べるならチーズや牛乳を、ご飯を食べるなら卵かけご飯にするなど1品加えるだけでもOK!とくにおすすめなのは「卵かけご飯」。ご飯で炭水化物、卵でたんぱく質が摂れるだけでなく、たんぱく質に含まれるトリプトファンが体内でセロトロニンやメラトニンに変換されることで日中の活動や夜の快眠をサポートしてくれることがわかっています。ガッツリ食べたくない、準備が面倒…という方も「卵かけご飯」なら手間もかからず、サラサラ~と食べることができるので◎!また、胃が重くて食欲がない、お腹がすかないという方は夕食を「早め」に食べたり、「食べ過ぎない」といった工夫をすると良いでしょう。「朝食」をしっかり摂ることは「睡眠負債」を防ぐだけでなく、「熱中症」や「夏バテ」予防にもつながるので是非実践してみてくださいね。

さて、ここでクエスチョン!

夏は猛暑で「睡眠不足」になりやすい時期。睡眠不足の改善には「体内時計」を整えることが重要と言われていますが、「人間」の体内時計は何時間周期となっているでしょうか?

〈1〉23時間より短い
〈2〉24時間
〈3〉24時間より長い

正解は…

「体内時計」とは「生物時計」とも呼ばれ、生体リズムを調整しているメカニズムのこと。朝、目が覚めて活動し、夜、眠くなり就寝するといった私たちが行っている日々の生活リズムはこの体内時計の働きによるものです。

地球の自転周期が24時間なので体内時計も24時間だと良いのですが、実は人間の体内時計は個人差はありますが、平均すると「24時間よりも長い」ことがわかっています。
一般的に地球の周期とのズレを修正できないでいると毎日の睡眠・覚醒リズムに乱れが生じ、睡眠障害に陥ると言われています。

「体内時計」は「光を浴びること」で早めたり、逆に遅らせると考えられているため、夜はネオンやスマホなどから発せられる光をできるだけ避け、朝は太陽の光をしっかり浴びてから活動を始めるなど、「体内時計」を意識して行動することが◎です。

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