ヘルスケアNEWS

ストレス、多忙、コロナ禍で年齢を問わず患者が急増中!
「痛みの後、体の片側に赤い発疹」ができたら「帯状疱疹」の可能性あり!

「帯状疱疹」とは体の左右どちらか一方に、針で刺されたような強い痛みと水ぶくれを伴う赤い発疹が現れる病気のこと。発疹が「帯状」に現れることから「帯状疱疹」という名がついています。
原因は子供の頃に罹患した「水痘(すいとう)」、つまり水ぼうそうのウイルス。多くの方が「水ぼうそうは昔かかって完治したはず?」と思うでしょうが、症状は治まっても実はウイルス自体は死滅せずに体内に残り、神経節という部位にずっと潜伏していると言われています。
潜伏している間はとくに体に悪影響を起こすことはありませんが、加齢やストレス、多忙などで免疫力が低下するとウイルスは再び活性化!神経細胞を壊しながら皮膚に到達し、「帯状疱疹」を発症させると考えられています。

「帯状疱疹」の症状にはかなり個人差がありますが、主な症状として

・体や顔の「左右どちらか一方」に、ピリピリ、チクチクといった強い痛みが生じる
・痛みの発症からしばらくして、痛みのある部位に「赤い発疹」が出てくる
・進行すると発疹は「水ぶくれ」になり、体や顔の片側に帯状に広がり3~4週間ほど続く

のが一般的。
はじめにピリピリ、チクチクといった神経痛が起こり、しばらくして赤い発疹ができるので「神経痛」と「赤い発疹」が同じウイルスが原因とは思わずに軽視する方が多いよう。
また初期の段階では「赤い発疹」は小さいため、虫刺されやかぶれ、おできと勘違いして放置してしまうことも多く、症状を悪化させるリスクが高い病気と言われています。

「帯状疱疹」は「免疫力が低下する」と水痘ウイルスが活性化するため、免疫力が低下しがちな50代以降に発症することが多いと言われていました。が、最近は仕事に家事、育児、介護と多忙な毎日を送る20~40代の患者が急増。
さらに新型コロナウイルスの感染拡大による生活の変化でストレスを溜める若年層も多く、年代を問わず、注意が必要な生活習慣病の1つと考えられるようになりました。

「帯状疱疹」は「発疹が出たら72時間以内に医師の診察」を受け、適切な治療を受ければ重症化したり、後遺症が残ることなく、完治すると言われています。しかしながら、まだ病気への理解が深まっていないことや、「赤い発疹」を虫刺されやかぶれと勘違いし、「発疹だから大丈夫」「しばらく様子をみよう」と言って放置しておく方が多いのが現状…。
適切なタイミングで治療を受けないと耐えられないほどの痛みで日常生活に支障をきたしたり、発疹が治まった後に「帯状疱疹後神経痛(PHN)」を発症し、数か月から10年以上も後遺症に悩まされることも。また発疹が出る部位によっては顔面神経麻痺や便や尿が出にくくなるといった後遺症が残ることもあるので、何よりも早期発見&早期治療がカギです。

■「帯状疱疹」の予防は「食事・睡眠・運動・休息」をしっかりとること!

「ピリピリ刺すような痛みの後、赤い湿疹が出たら即病院へ」が完治させるカギですが、「帯状疱疹」は自己診断が難しい病気とも言われています。虫刺されやかぶれと思う方も多いようですが、最も勘違いしやすいのが「ヘルペス」です。
どちらもウイルスが原因で発症する病気。症状の進行もピリピリとした痛みを感じた後、皮膚表面に小さな水ぶくれがたくさんできるのが特徴のため、見分けがつきにくいですが、発疹ができる部位に違いがあります。

●帯状疱疹
・感覚神経の流れに沿って発症するため、体の左右のどちらかに帯状に発疹ができる
・腕や胸、背中、顔面、首、頭部など主に上半身に発疹ができる
・個人差はあるが痛みは強い

●ヘルペス
・唇や顔面、性器、歯茎などに発疹ができる
・強い痛みはない。ただし性器にできた場合は痛みが強くなることが多い

「ヘルペス」は「帯状疱疹」に比べ、軽い症状のことが多いですが、感染力が強いので、発疹ができたら病院へ行くのが◎。「帯状疱疹」の場合は何よりも早期治療がカギとなるので「赤い発疹」がまだ出ていなくても「右半身、左半身だけに強い痛みがある」など少しでもあてはまることがあればすぐに医師の診断を受けましょう!

「帯状疱疹」は加齢だけでなく、ストレスや多忙など免疫力の低下が原因で起こるため、「免疫力を低下」させないことが「帯状疱疹」の予防にもつながりますが、具体的には

・早寝早起きを心がけ、睡眠時間をしっかりと確保する
・朝昼晩、3食きちんとバランスのとれた食事をとる
・散歩、筋トレ、ストレッチなどできる範囲で毎日適度に運動をする
・毎日入浴をして体も心も休息させる
・「疲れ」を感じたら、音楽を聞いたり、本を読むなどリラックスすることを心がける

ことが大切!どれも基本的なことですが、なかなかできていない方が多いと言われているので、無理のない範囲で少しでも多く実践すると良いでしょう。

それでも万が一、「帯状疱疹」にかかってしまった場合、すぐに医師の治療を受けることが必須ですが、自宅で静養する際に注意するポイントをご紹介!

・安静にする
・発疹部位を冷やさないようにする
・発疹部位は絶対に触らない。とくに水ぶくれは破らないことが◎

どの病気もそうですが、早期回復には何よりも「安静にする」ことが基本。とくに「帯状疱疹」は「ストレス」や「多忙・過労」で免疫力が低下した際に発症するため、「体や心に負担やストレスを溜めないよう」十分な睡眠・休息・栄養を摂り、回復につとめましょう。

静養中は「発疹部位」を冷やさないことも大切!「帯状疱疹」の場合、患部が冷えると痛みが酷くなる傾向にあるので、発疹部位は冷やさず、できるだけ温めることを心がけましょう。使い捨てカイロなどを使う方もいるようですが、温度調節が難しく、かえって患部をかぶれさせてしまうこともあるので、使用する際はカイロを直接肌にあてないなど、配慮をすると良いでしょう。
「発疹部位」は痛みやかゆみを伴うことが多いので、気になってしまいますが、患部を触るのはNG!とくに「水ぶくれ」は破けてしまうと細菌による感染が起こりやすくなり、悪化することもあるので要注意です。

「帯状疱疹」の発症のカギは「免疫力」のため、予防&早期回復どちらも「毎日バランスの良い食事をとる」ことが大切ですが、「免疫力」を後押ししてくれる食材を積極的に摂るのも◎!免疫力を高める食材にはヨーグルトや納豆など発酵食品などが人気ですが、季節の変わり目で体調を崩しやすい時こそ摂取して欲しいのが免疫細胞の材料、免疫力の土台となるたんぱく質。
たんぱく質は肉や魚、大豆製品や乳製品に多く含まれるので普段の食事でバランス良く摂っていれば問題はないですが、夏バテなどで胃腸が弱って色々食べられない…という方におすすめなのが「チーズ」。
ちょっと料理に加えたり、食欲がない朝はパンにチーズをのせて食べるだけでもOK。胃腸が疲れているのに「免疫力アップさせなきゃ!」と無理して色々食べるとかえって逆効果になるため、手軽に栄養補給ができるチーズを是非活用しましょう。

さて、ここでクエスチョン!

最近、年代を問わず患者が増えていると言われる「帯状疱疹」。
「帯状疱疹」について述べたもので正しいのはどれでしょうか?

〈1〉「帯状疱疹」は人にはうつらない
〈2〉「帯状疱疹」は一度かかってしまうと頻繁に再発する
〈3〉「帯状疱疹」を予防するワクチンはない

正解は…

「帯状疱疹」は他の人に「帯状疱疹」としてうつることはないと言われています。

けれども「帯状疱疹」は潜伏していた「水ぼうそう」のウイルスが再活性して発症するため、水ぼうそうにかかったことのない赤ちゃんや幼児などに、水ぼうそうとしてうつす場合はあります。一般的に「帯状疱疹」は一度かかると再発することはないと考えられていますが、免疫力の低下などでごくまれにですが、再発することもあります。

「帯状疱疹」は50代以降に発症することが非常に多く、重症化するリスクも高いので自己負担にはなりますが、「50代以上」を接種対象とした予防ワクチンがあるので気になる方は接種を検討すると良いでしょう。

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