ヘルスケアNEWS

自覚症状のない「高尿酸血症」は生活習慣病を引き起こす全身病!
血液中の「尿酸」を排出することが、病気予防のポイントに

「痛風」とは足の親指や手指・くるぶしなど、関節が赤く腫れ、耐え難い痛みが発作的に起こる病気。発症すると2~3日は歩けなくなるほど強い痛みに悩まされるのが特徴ですが、初期の頃は炎症を抑える薬を飲むと1週間程度で痛みがなくなると言われています。あっけなく痛みがおさまるため、完治したと思ってしまいますが、適切な治療を行わないとほとんどの方が1年以内に再び発症します。 再発すると腫れの部位が足首や膝などまで広がったり、痛みが起こる発作(痛風発作)の間隔が短くなったりと深刻に!症状が悪化すると腎臓に悪影響を与えたり、尿路結石になることもあります。

「痛風」になる原因は「血液中の尿酸値が高くなる」ためと言われています。「尿酸」とは体内活動で作られたり、食べ物や飲み物に含まれる「プリン体」が分解してできた老廃物のこと。
通常、「尿酸」は尿として大半が排出されますが、「尿酸」が過剰に作られたり、排泄が滞ると血液中に溶けきれなくなった「尿酸」が尿酸ナトリウムとなって関節などに付着。「腫れや痛み」など「痛風」を発症させるため、「尿酸値を下げる」ことが大切と 考えらえています。

とはいえ、「痛風」の主な症状を見ると関節を中心に発症する「局所的な病気」であるため、「我慢すれば大丈夫」「体全体にダメージを与えるものではない」と考えがちですが、実は「痛風」になる方の多くは「高尿酸血症」に罹患していることがわかっています。

「高尿酸血症」とは「血液中の尿酸値が7.0mg/dl以上と高い状態」のこと。健康診断の際、「高め」と指摘された方もいらっしゃるかもしれませんが、「高尿酸血症」になったからと言ってとくに自覚症状があるわけではありません。けれども「高尿酸血症」は糖尿病や脂質異常症、高血圧など全身に影響を与える病気を引き起こす「全身病」と言われており、「高尿酸血症」を改善することが「痛風」発作だけでなく、生活習慣病などさまざまな病気のリスクを下げると考えられています。

しかしながら実際のところ「尿酸値が高い」ことがわかっても「高尿酸血症」になっただけでは自覚症状が全くなく、痛みや不調を感じることもないので、ほとんどの方は放置してしまい、「痛風」の発作が出てから異変に気付く…というパターンが多いと言われています。
また「痛風発作」と似た症状が起こる外反母趾や関節リウマチ、変形性関節症、ピロリン酸カルシウムという結晶が原因で炎症を起こす偽痛風などの病気と勘違いし、適切な治療を行わず重篤化するケースも増えているそう。
では、どんな症状が出たら「痛風」の可能性があるのか?「痛風の判断基準」について早期発見を手助けするポイントをご紹介します。

・健康診断で「尿酸」値が7.0mg/dL以上だった・高い状態がずっと続いている
・関節の部位が赤くなる・関節が腫れている
・足の親指の付け根に腫れ・激しい痛みを感じる
・足首の周りの関節に腫れ・激しい痛みを感じる
・痛みが出てから1日以内に痛みがピークに達する
・以前にも同じような腫れ・痛みを発症したことがある

1つでもあてはまったら、すぐに病院へ!「痛風」だけでなく、根本原因となる「高尿酸血症の改善」にもつながるため、早期発見&早期治療を心がけましょう。

■排泄を促すには「こまめな水分補給」を!手軽なサプリメントの併用も◎

「高尿酸血症を改善」するには具体的にどうすれば良いでしょうか?
「高尿酸血症」になる原因には尿酸の排泄量が少なくなる「排泄低下型」、尿酸の産生が過剰になる「産生過剰型」、産生過剰&排泄量も少なくなる「混合型」の3タイプありますが、日本人の多くは「排泄低下型」と言われています。そのため、「病気」にならないための「高尿酸血症」対策としては「尿酸の排泄量を増やす」ことが有効なカギ!
具体的には…

1.水分をこまめに摂る
2.1日3食、バランスの良い食生活を心がける
3.アルコールを控える
4.プリン体を多く含む食品だけを過剰に食べない
5.汗を大量にかかない程度の適度な運動を心がける
6.ストレスを溜めない
7.肥満気味の方は健康的に体重を減らすことを心がける

を実践すると良いでしょう。

「排泄を促す」には何よりも「水分を摂る」ことが◎。「脱水症状」になると「尿酸の排泄がうまくいかなくなる」ので毎日2リットル程度、小まめに「喉が渇く前」に摂ると良いでしょう。2の「バランスの良い食生活」も便や尿など毎日のスムーズな排泄につながるので、できる限り実践しましょう!

3と4については「飲まない・食べない」がベターですが、よほどの暴飲暴食を毎日続けていなければ絶対NGというわけではないので、「摂り過ぎない」ことを意識するとGOOD。我慢のしすぎは「ストレス」となり、その反動で暴飲暴食…ということもあるので「摂り過ぎたな」と思ったら2~3日は量を控えめにしたり、「水分」をいつもよりも多めに、こまめに摂るなど工夫をしていきましょう!

5の運動については「汗をかかない」程度のウォーキング、軽めのジョギングなどがおすすめです。「スムーズに尿酸を排泄する」には「脱水症状」が×のため、大量に汗をかくなど、頑張りすぎは禁物です。
また肥満気味の方は「尿酸の排泄」を妨げる「インスリン」の量が過剰と言われているため、バランスの良い食生活や適度な運動などで健康的に体重を落とすことを心がけると良いでしょう。体重を減らすことで「高尿酸血症の改善」だけでなく、体全体に良い影響を与えると考えられているので、一石二鳥以上の効果が期待できます!

また「尿酸の排泄を促す」には「バランスの良い食生活」だけでなく、「排泄」を後押ししてくれる食材を積極的に摂ると良いでしょう。尿酸の排泄を促すと言われているのが、海藻、野菜、イモ類など。
また牛乳などの乳製品に含まれるホエイたんぱく質やカゼインが尿酸の排泄を促すため、毎日コップ1杯程度飲むと◎。牛乳が苦手という方はヨーグルトでもOK!秋の味覚を楽しみつつ健康対策も…という方は「キノコ」がおすすめ。「キノコ」にも尿酸の排泄を促す効果があると言われています。「キノコ」は1年中栽培されているため、旬というイメージはないかもしれませんが、「舞茸」などは秋に天然モノが出回ることも多いため、是非とも摂りいれると良いでしょう。

他にも「尿酸の排泄を促す」対策法としておすすめなのが、サプリメントの活用。手軽に対策ができる、効果がわかるから活用しやすいと、ここ数年人気が高まっています。
なかでも話題になっているのが「アンセリン」配合のサプリ。サプリメントには色々な種類がありますが、パッケージなどに「尿酸値を下げる」を記載してあるものを選ぶのがGOODです。

さて、ここでクエスチョン!

コロナ禍の「家飲み」急増で最近「痛風」リスクも高まっていると言われています。「痛風」と言えば「男性」に多いイメージがありますが、なぜ女性は「痛風」リスクが少ないのか?正しいものはどれでしょうか?

〈1〉男性よりも発汗量が少ないから
〈2〉女性ホルモンの働きがあるから
〈3〉食事やアルコールの摂取量などで違いがあるから

正解は…

「痛風」に悩む方は圧倒的に男性が多く、ある調査によると痛風患者の約90%以上が男性というデータも!痛風は「体内の尿酸値が高くなる」ことで発症します。高くなる原因には色々ありますが、尿酸の元となるプリン体を多く含む食品・飲料を多く摂ることで「尿酸」が過剰に生成されるためと考えられています。

また「汗を大量にかく」など「体が脱水状態」になると「尿酸の排泄」がうまくいかず、体内の尿酸値が高くなることも!これらのことが原因ならば、女性の発症リスクも男性同様に高いはずですが、実は女性ホルモンには尿酸の排泄を促す働きや腎臓での尿酸の再吸収を抑える働きがあるため、尿酸値が高くならず、痛風になりにくいと考えられています。

しかし、加齢により女性ホルモンが減少するとこの働きも失われるため、50歳を超えると女性でも痛風になる方が急増。栄養の偏りや過度のダイエットでも女性ホルモンが減るため、最近では若い女性でも痛風になる方が増えているので油断は禁物です!

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