ヘルスケアNEWS

「更年期障害」は「病気」のため、
我慢する&無理は禁物!
「男性」の場合は60代・70代になっても改善しないことも

「更年期障害」とは厚生労働省のe-ヘルスネットによると「男女ともに40歳を過ぎた頃から見られる、様々な体調の不良や情緒不安定などの症状をまとめて更年期障害と呼ぶ」とされています。

「更年期障害」については他の病気・症状に比べ、とくに「個人差が大きい」のが特長。
症状についてもさまざまな事例が報告されていますが、一般的なものとして

【主な身体症状】
ほてり、頭痛・めまい、動悸、異常な発汗、
腰や背中、関節などの痛み、慢性的な疲労感、
頻尿、血圧の上下、耳鳴り
≪男性のみ≫ED(機能不全)、性欲の低下 
≪女性のみ≫月経不順

【主な精神・心理症状】
うつ、不眠、イライラ、
興味・やる気・意欲の低下、不安感の増大、
集中力・記憶力の低下

が多いと言われています。

「更年期障害」は、男性の場合は男性ホルモンと呼ばれる「テストステロン」、女性の場合は女性ホルモンの「エストロゲン」の急激な減少により発症すると言われていますが、発症時期や期間については大きな違いがあります。

女性の場合、閉経期(最終月経から1年間無月経。永久に月経が停止した状態のこと)前後の約10年間に症状が現れると言われています。「閉経」はエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの減少によって起こりますが、「更年期障害」はエストロゲンが減少し始める閉経前の40代半ば頃に発症し、閉経後5年ほどたった50代半ば頃に症状が落ち着いてくると言われています。

一方、男性については女性と同じく、発症の主な原因はホルモンの減少ですが、女性と比べ、ホルモンの減少量についてはかなり個人差があるため、発症時期はさまざま!一般的に40代からと言われていますが、近頃は30代から発症する方も。
症状に悩む期間も個人差があり、10年以上たっても改善しないなど、女性の「更年期障害」よりも長期化する方が多いと言われています。最近では患者数が増えていることから「LOH症候群」「加齢性腺機能低下症」とも呼ばれ、医師の間で話題となっています。

「更年期障害」は症状だけ見ると即、命に関わるような重篤なものはなく、「我慢すれば良い」「一時的なもの」と思いがちですが、かなり個人差が激しく、日常生活に支障が出ることが多いのが実情。医師の間では「更年期障害」は「病気」と考えられているため、「我慢しすぎない・無理をしない」ことが大切!

一般的に女性の更年期障害については、ある程度年月が過ぎると症状が治まる方が多いですが、男性の場合は適切な治療をせず、放置しておくと60代、70代になっても症状が改善しないケースも!
また、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を発症しやすくなったり、ホルモンの減少は血管の老化を早めるため、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中、狭心症など、死に直結する病のリスクを高めると言われています。

さらに、女性は「閉経」など月経に変化があることで「更年期障害」の始まりを認識しやすいですが、男性の場合、「閉経」など女性のような「きっかけ」がないことや「男性更年期障害」の認知度が低いことで、発症に気づきにくく、発症しても「単なる疲れ・軽いうつ」などとして、適切な治療を行わないことが多いため、悪化しやすいと言われているので注意が必要です。

そこで「更年期障害」か否か?簡単にできるセルフチェックをご紹介!男性・女性でチェックポイントが若干、異なるため、今回は「男性版・女性版」の2つご紹介します。

≪男性の方のセルフチェック≫
1.全体的に調子が思わしくない
2.腰痛、関節痛、背中に痛みを感じる時がある
3.筋力の低下など、体力の衰えが気になる
4.急に突然汗が出る。緊張や運動していないのに
顔がほてる
5.寝つきが悪い、何度も起きる、眠れないなど
「睡眠」の悩みが増えた
6.以前より疲れを感じる、よく眠くなる
7.些細なことが気になるようになった
8.ヒゲの伸びが遅くなった
9.性的能力の衰えを感じる
10.性欲の低下を感じる

≪女性の方のセルフチェック≫
1.緊張や運動をしていないのに顔がほてる
2.汗をかきやすくなった
3.激しい運動をしていないのに息切れしたり、
動悸がする
4.手足や腰、下半身が冷えやすくなった
5.寝つきが悪い、何度も起きる、眠れないなど
「睡眠」の悩みが増えた
6.めまいや頭痛、吐き気をもよおすことが増えた
7.疲れやすくなった、疲れを引きずることが増えた
8.以前よりも怒りやすくなった、すぐイライラする
ようになった
9.くよくよしたり、憂うつになることが増えた
10. 肩こり、腰痛、手足に痛みを感じる時がある

どちらも3つ以上あてはまれば、「更年期障害」のリスクがあるので注意!とくに日常生活に支障をきたすことがある方は医師に相談するなど、早めの対策がGOODです。

■「ストレス発散」が更年期対策に効果的!男性は「筋力アップ」が期待できる運動を

医師の診断を受けるレベルではなかったとしても「更年期障害」は男女ともに、長期戦になることが多いため、日々の生活習慣から「予防・対策・改善」をすることが大切。
そこで男女ともに手軽に実践できる「予防・改善法」はコチラ!

1.1日3食、できるだけ栄養バランスの良い食事を
心がける
2.毎日少しでも「体を動かす」ことを心がける
3.「ストレス」を溜めないよう心がける
4.夜更かしをしない

「更年期障害」を発症する40代以降はホルモン量の低下だけでなく、筋力低下やエネルギー代謝、骨密度の低下など、さまざまな変化が起きる年齢でもあるため、「バランスの良い食生活を続け、しっかりと栄養補給をする」ことが重要と言われています。
「毎食バランス良くしなくては」と意気込んでしまうとかえって負担になることもあるので、外食などもうまく活用しながら、「食事を楽しみながら色々な食材を摂る」ことを心がけましょう。

2の「運動」については更年期対策に効果が期待できるため、是非実践していきましょう!
「運動」といっても大げさなものでなく、ウォーキングでOK!ウォーキングやジョギング、サイクリング、ヨガなど長時間継続して行える「有酸素運動」はとくに女性の更年期対策に有効であることがわかっています。
運動することにより男性ホルモンである「テストステロン」が増えるため、ウォーキングなどの有酸素運動は男性の更年期対策にも◎ですが、男性の場合は「筋肉を鍛える」ことを意識するとGOOD。大腿四頭筋(太もも前の筋肉)など、とくに大きな筋肉を動かすことが「テストステロン」増加につながると言われているので、スクワットなどがおすすめですが、運動経験が少ない方は「階段の上り下り」や「早歩き」などを毎日10分程度行うことで効果が期待できると言われています。

そして大切なのが「ストレス」を溜めないこと。
「更年期障害」はメンタル面にもかなり影響を与えるため、「入浴」「睡眠」で心身ともにリラックスしたり、「趣味の時間」を楽しむなど「ストレスを発散」させ、無理をしないことが大切です。
「睡眠」については長時間寝ることも重要ですが、4の「夜更かししない」ことがポイント!男性ホルモンも女性ホルモンも夜に作られることがわかっているため、できるだけ深夜12時前にはぐっすり眠れるよう、「寝る時間」にも工夫をしていきましょう!

最後に「更年期障害」は男女ともに「ホルモンの減少」が主な原因と言われているため、「体の中からホルモン」の働きをサポートしてくれる栄養成分を摂ることも更年期対策として有効と考えられています。
良く知られているのが、女性ホルモンに似た働きをもつと言われる「イソフラボン」。豆腐や納豆、豆乳など大豆製品に多く含まれていますが、これらは良質なたんぱく質でもあるので、男性ホルモンの強化にも◎!また、たんぱく質は「筋肉量を増加させる」働きがあるので、筋力低下に悩む男性の更年期対策にも効果が期待できます。
他にも鮭、ウナギ、アボカドなども男性・女性ホルモンの働きをアップさせてくれると言われていますが、おすすめなのが「マグロ」。「マグロ」はホルモンの働きを高めてくれるだけでなく、ホルモンバランスの調整や、うつ・情緒の乱れなど精神的な不調をケアしてくれる効果があるため、日々のメニューに摂りいれると良いでしょう。マグロだけでも良いですが、納豆やアボガドなどとも相性が良いので、合わせて摂ると相乗効果が期待できます!

さて、ここでクエスチョン!

最近、女性だけでなく男性患者が急増していると言われている「更年期障害」。どちらも「ホルモン量」の減少が原因と言われていますが、男性・女性「ホルモン」について述べたもので正しいのはどれでしょうか?

〈1〉「女性ホルモン」が最も多いのは30代だが、「男性ホルモン」のピークは20代である
〈2〉「女性ホルモン」も「男性ホルモン」も最も量が多いのは20代である
〈3〉「女性ホルモン」が最も多いのは20代だが、「男性ホルモン」のピークは10代である

個人差はありますが、一般的に「女性ホルモン」も「男性ホルモン」も最も量が多いのは20代と言われています。

どちらも20代をピークにその量は減少していきますが、「女性ホルモン」は40代以降、分泌量が急激に減り、60代以降はほとんど作られなくなることがわかっています。「男性ホルモン」については分泌量は減少していきますが、その速度はかなり緩やか!けれども個人差が女性以上に激しく、30代、40代でガクンと減る人もいれば、シニア世代になっても若い頃とあまり変わらないという方もいます。

ホルモンの分泌量が減る原因には諸説ありますが、男性の場合は「ストレス」が大きく関係していると言われているため、「ストレス」を溜めないことが「更年期対策」のカギと言えるでしょう。

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