ヘルスケアNEWS

リモート、オンラインの普及で年代を問わず
「VDT症候群」に悩む方が急増
一度に複数の症状が現れることが多く、
早めの対策がカギ!

「VDT症候群」とは、パソコンなどのディスプレイを使った長時間の作業やスマートフォンの使用により、身体や精神に不調をきたす病気の総称のこと。主に目に負担をかけることから 「IT眼症」 とも呼ばれたり、「テクノストレス」と言われることもあります。眼精疲労、目の痛み、ドライアイ、視力低下、首や肩のコリ、頭痛、腕や手・指などの痛みやしびれ、倦怠感などが主な症状ですが、1つの症状だけでなく、複数の症状を同時に発症したり、悪化すると慢性的な疲労や不眠などの睡眠障害、うつ病など日常生活に支障をきたす健康被害につながることがあると言われています。

発症原因についてはいくつかありますが、パソコンのディスプレイ画面から発せられるブルーライトやディスプレイ画面の点滅が目に大きな負担をかけると考えられています。また、近距離でディスプレイを凝視するとまばたきの回数が大幅に減ってしまうため、目が乾きやすくなります。さらにパソコンやスマートフォンを使用する際、視線が上を向き過ぎていたり、逆に下に向き過ぎていることで首や肩に負担をかけたり、同じ体勢で作業をすることで血の巡りが悪くなり、倦怠感や頭痛などを引き起こすと言われています。

「VDT症候群」という言葉を初めて聞くという方が多いかもしれませんが、実は日本にコンピュータが導入され始めた1980年代半ばから健康に悪影響を与えるのでは?と問題視されていたそう。すでに1985年と2002年、「VDT作業」に関するガイドラインが出されましたが、IT化のさらなる加速やタブレット・スマートフォンの普及が進んだことで「VDT症候群」に悩む方が急増!厚生労働省は2019年に「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を出し、啓蒙につとめています。

とはいえ、パソコン、タブレット、スマートフォンは新三種の神器と呼ばれるほど、私達の生活にとって欠かすことができないアイテム!とくに新型コロナウイルスの感染拡大以降、テレワークやオンライン授業が増えたことで、「ほぼ1日中IT機器」に触れているという方も多く、年代を問わず、発症する方が増えているとか。「VDT症候群」はパソコンやスマートフォンなどIT機器を使っている方であれば誰でも発症するリスクがあります。目のトラブルだけでなく、肩や首のコリ、倦怠感など、一度に複数の症状が現れることが多く、酷くなると吐き気や慢性的な疲労感、不安感、不眠、うつ病を発症することもあるので、早期発見&早期対策が何よりも大切!そこで、早期発見!悪化させないために実践して欲しいセルフチェックをご紹介。

1.パソコン、スマートフォンなどを連続して
使用する時間が1時間を超える
2.パソコン、スマートフォンなどを使う際、
長時間同じ姿勢で使用することが多い
3.パソコン、スマートフォンを使った後、
体に違和感を感じる
4.パソコンやスマートフォンを使用する際、
画面に部屋の照明や外の光が映りこんでいる
5.パソコンの作業スペースにゆとりがない
6.パソコンで作業する際、部屋の明るさと
手元の明るさに差がある
7.慢性的に目に疲れを感じたり、乾いている
8.視界がかすんだり、ぼやける
9. 首や肩のコリが酷い

5つ以上あてはまる方は「VDT症候群」になるリスクが非常に高いので要注意!
とくに7~9の症状を全て感じている方は症状が進んでいる可能性があるため、気になる方は早めに医師の診断を受けると良いでしょう。

■「VDT症候群」は対策をすれば改善が可能!ビタミン・アスタキサンチンを摂るのも◎!

「VDT症候群」は日常生活に支障をきたすほどの眼精疲労や慢性的な疲労感、不眠、うつ病まで悪化してしまうと医師の治療が必要ですが、ほとんどの場合は「IT機器」を見る環境、作業をする時間などに工夫をすれば改善すると言われています。そこで今回は厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を元に、今すぐできる予防法&対策法をご紹介。

1.室内は作業に支障がでない明るさにする。
できるだけ部屋の中で明るい場所、暗い場所を作らないよう配慮する
2.ディスプレイを用いる際、キーボード上に
おける照度は300ルクス以上とする
3.ディスプレイ画面、キーボード面の明るさと
周辺の明るさの差はなるべく小さくする
4.ディスプレイ画面に直接、間接的に外の光が映りこむ場合は、窓にブラインドやカーテンをつけ、映りこまないよう調整する
5.ディスプレイと目線との距離は40cm以上を
心がける
6.ディスプレイの画面の上端が眼の高さと
ほぼ同じか、やや下になるよう調整する
7.ディスプレイに表示する文字の大きさは、小さすぎないように配慮し、文字の高さは3mm以上(10.5~12ポイント)とする
8.背もたれ付きの椅子に深く腰掛け、両足は地面につけ、背筋をのばして作業をする
9.連続して作業をする時間はできるだけ1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10~15分ほど、IT機器を見ない時間をもうけるよう心がける

を実践すると良いでしょう。

厚生労働省のガイドラインには室内環境やディスプレイ、マウスなどについてかなり細かいところまで明記されていますが、「作業者にとって好ましい位置、角度、明るさに調整する」ことが大切とされています。室内環境についてはオフィスでは自分1人ではないので、ベストな状態に整えることは難しいですが、ディスプレイや椅子を調整することでできる限り、快適な環境にすると良いでしょう。
また最近はノートパソコンやタブレットで作業をすることも多いですが、ディスプレイタイプに比べて調整することが難しく、画面との距離が近くなりがちなため、画面の反射を遮るフィルターを使用したり、デスクトップの背景の色を刺激を抑える効果のあるグレーやブラック系にするとGOOD。スマートフォンを使用する際も同様の工夫をすると良いでしょう。

9についてはガイドラインでは1時間以内の作業で10~15分の休憩を推奨していますが、実際に実践することはかなり困難と言われています。この通りに実践できない場合は気づいた時で良いのでIT機器から目を離し、飲み物を飲んだり、数秒でも目を閉じてリラックスする回数を増やすだけでも◎。
また、目薬をさすのも効果的!下まぶたを下に軽く引き、1滴点眼。点眼後は1分程度目を閉じて薬剤を行き渡らせましょう。点眼後に目をパチパチすると目から鼻に薬剤が流れてしまうので、まばたきは我慢!目薬は正しい方法でささないと効果が薄れてしまうので、注意が必要です。
さらに、オフィスでもできる超簡単ストレッチをご紹介!

≪肩に効くストレッチ≫
1.自然な姿勢で立ちます
2.両肩を首の方に上げます
3.息を吐きながら、両肩をストンと
下に落とします。5回ほど実践すると◎!

≪背中に効くストレッチ≫
1.椅子に座ったまま、両手を組んで前へ伸ばし、
その手を外側に向けます
2.1の状態のまま、おへそを覗きこむように
背中を丸め5~10秒ほどキープ
3.もとの状態に戻します。

パソコンやスマートフォンの画面を見過ぎた!という時に実践すると効果が期待できます。

「VDT症候群」の主な症状は「眼精疲労」や「ドライアイ」など目のトラブルが多いため、「目に良い成分」を日頃から積極的に摂ることも大切!なかでも網膜を保護し、角膜の新陳代謝を促進すると言われるビタミンAや眼精疲労に良いと言われるビタミンB群、抗酸化力が非常に高く、ドライアイ改善に効果があると言われるアスタキサンチンがおすすめ!これらを含む食材は数多くありますが、なかでもほうれん草はビタミンAだけでなく、ブルーライトから目を守り、加齢黄斑変性や白内障などの眼病リスクを軽減してくれるルテインも多く含んでいるのでマルチな効果が期待!食生活が不規則でビタミン類やアスタキサンチンを食材から摂るのが難しいという方は手軽に飲めるサプリメントを活用するとGOOD。効果的な対策ができます。

さて、ここでクエスチョン!

パソコン、スマートフォンの普及で目の疲れなど「VDT症候群」に悩む人が増えているといいます。ダメージを与える原因の1つに「ブルーライト」が挙げられますが、「ブルーライト」について述べたもので正しいものはどれしょうか?

〈1〉ブルーライトはパソコン、スマートフォンなど電子機器のみから
発せられている
〈2〉ブルーライトは太陽光にも含まれている

「ブルーライト」と言えば、パソコンやスマートフォンなどの電子機器から発せられる体に有害な光…というイメージが強いですが、実は太陽光にも含まれています。
可視光線(人間の目で見ることのできる光)の中で最も波長が短く、強いエネルギーを持っていることから目への影響が懸念されていますが、それ以上に「体内時計」と大きな関わりがあると言われています。

私たちは昼間、太陽光に含まれているブルーライトを浴びることで睡眠ホルモンと言われる「メラトニン」の分泌が抑え、日中の活動をすることができますが、夜にパソコンやスマートフォンから発せられるブルーライトを浴びてしまうと体が昼と勘違いし、メラトニンの分泌が抑制。夜になっても眠れなくなってしまい「体内時計」が狂ってしまうと考えられています。

「ブルーライト」イコール「悪」というわけでは決してありませんが、長時間浴び続けていたり、太陽が沈んだ後もスマートフォンなどから発せられるブルーライトを浴びていると「VDT症候群」や「不眠」につながることがあるので要注意です!

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