ヘルスケアNEWS

「膀胱炎」は一度発症すると、
1年以内に再発するリスクが!
リモートワークの増加で男性患者も急増中!

「膀胱炎」とは、大腸菌などの細菌によって膀胱の粘膜に炎症を起こす病気。膀胱は本来、無菌の状態ですが、排尿や排便の際、尿道から侵入した細菌が膀胱に達し、菌が増殖することで「膀胱炎」になると考えられています。「膀胱炎」には何種類かありますが、多くの方が発症する「単純性膀胱炎」は排尿時の痛み、残尿感、頻尿、尿の濁りが主な症状です。「膀胱炎」と聞くと、単なる「排泄時のトラブル」ととらえられがちですが、排尿時にかなり強い痛みを伴うだけでなく、残尿感が酷くなると、トイレから出られなくなるなど日常生活に支障をきたすことも!また悪化すると血尿が出たり、腎盂腎炎(じんうじんえん)を発症すると、高熱が続き、腎臓にも悪影響を与えるため、決して侮ってはいけない病気なのです。

「膀胱炎」は一度発症すると再発しやすく、その多くが1年以内に発症するため、かなり厄介な病気と言われていますが、軽症のものも含めると女性の2人に1人が一生に一度は経験するというデータもあり、女性特有の病気と考えられていました。とはいえ、男性がかからないというわけでは決してありません!男性の場合は前立腺炎や前立腺肥大症、尿路結石など、他の病気がきっかけで膀胱炎にかかると言われています。最近はリモートワークの増加でデスクワークなど座っている時間が増えたことで前立腺炎になる男性が急増しているそう!前立腺は長時間、座っているなど、圧迫されることで発症すると言われているため、コロナ前と比較して患者数が倍になったという病院もあるほど。発症理由は異なるとはいえ、男性・女性いずれも「膀胱炎」になるリスクは高いので、早期発見&早期対策が大切です。

「膀胱炎」は初期の場合は「排尿時に違和感を感じる」程度のため、病気であることに気づきにくいと言われています。そこで、今回は簡単にできるセルフチェックをご紹介。

1.以前に比べ、急に排尿の回数が増えた
2.さっきトイレに行ったばかりなのに、
すぐに行きたくなることが多い
3.排尿が終わる頃に、ツーンとした痛みやヒリヒリ・ムズムズ感がある
4.排尿後も尿が残った感じがしてスッキリしない
5.尿が白く濁っている
6.過去にも同じ症状・違和感を感じたことがある
7.尿に血のようなものが混じっていることがある

2つ以上あてはまる方は「膀胱炎」の可能性があります。とくに5~7があてはまった方は炎症が進んでいる可能性があるので、一度、医師に相談をすると良いでしょう。「膀胱炎」は初期であれば、投薬治療で完治させることができるので、早めの診察が◎です。

■「膀胱炎」にならないコツは「菌を入れない・増殖させない」

多くの方が発症する「膀胱炎」ですが、実は生活習慣の見直しによって「予防」「改善」「再発防止」をすることができます。具体的な「対策法」は7つ!

1.水分をしっかりと摂る
2.尿を我慢しすぎない
3.疲労やストレスを溜めない
4.下半身を冷やさない
5.排尿、排便後は前から後ろに拭く
6.生理用品などはこまめにかえる
7.便座の温水洗浄機能を長時間使いすぎない

まずは1と2。「膀胱」に尿が長時間溜まってしまうと、菌が繁殖しやすくなると言われているため、毎日しっかりと「水分」を摂って、1日4~6回程度、排尿することを心がけましょう。暑い日や運動時は汗を多くかくことで、体の水分が奪われ、尿量が減りやすくなるため、いつもより多めに「水分」を摂ると良いでしょう。

尿道や膀胱に菌が付着しても、体の免疫力が高ければ増殖を防ぎ、尿で菌を排出することができると考えられています。そのため、3のように「免疫力を高める」ことが大切!また「冷え」も「免疫力」を下げると言われているので、とくに4の「下半身」の冷えには注意をしましょう。

そして重要なのは「デリケートゾーンを清潔に保つ」こと。排尿・排便時に後ろから前に拭いてしまうと便の雑菌が付着したり、肛門の常在菌が尿道に入ってしまう危険性があります。また女性の場合、生理用品やおりものシートなどを長時間つけていると、菌が増殖しやすくなるので注意を!さらに、清潔に保とうと利用している便座の「温水洗浄機能」を使いすぎてしまうと粘膜のバリア機能がダメージを受け、膀胱などに菌が入りやすくなったり、肛門や膣を流す際に付着した菌が尿道に付着することがあるため、長時間の利用は控えたほうがいいでしょう。

「膀胱炎」に良い食材というものは残念ながらありませんが、「免疫力が低下」すると「膀胱炎」になりやすいと考えられているため、栄養バランスの良い食生活を心がけるとともに「免疫力を高める」食材を摂ると良いでしょう。免疫力を高める食材には乳製品やビタミンが豊富な緑黄色野菜、免疫力を整えてくれるβグルカンを含むキノコなどがありますが、なかでもカボチャは「抗酸化ビタミン」と呼ばれるビタミンC、E、βカロテンが豊富に含まれているため、おすすめ。秋の味覚としてもお馴染みなので、楽しみながら免疫対策をしていきましょう。

さて、ここでクエスチョン!

発症しやすく、再発しやすい。女性の多くが悩まされている「膀胱炎」。
「膀胱炎」に女性患者が多い理由は下の2つのうち、どれでしょうか?

〈1〉女性の方が男性に比べ、膀胱に尿を溜められる量が少ないから
〈2〉女性の方が男性に比べ、尿道が短いから

「膀胱」に溜めることができる尿の量は個人差はありますが、男性、女性ともに300~600ミリリットル程度と考えられています。
「膀胱」に溜められた尿は尿道を通って排出されますが、「尿道」の長さが男性は約17~20センチ、女性は3~4センチと大きく違いがあります。

「膀胱炎」は主に細菌感染、尿道口からの侵入が原因と考えられていますが、尿道から膀胱までの距離が長い男性に対し、女性は短いため、細菌が「膀胱」に到達しやすくなります。
また女性の尿道は菌が多い肛門や膣にも近く、排便時にも菌が侵入しやすくなるため、「膀胱炎」が多いと言われています。

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