「喉の筋力低下」は
すでに40代から始まっている?!
誤嚥、病気に罹患するリスクも
高まるため早期対策を
話す・食べる・飲む。「喉」は私たちが生きていく上で欠かせない重要な器官。
他にも呼吸の通り道、細菌やウイルスの侵入を防ぐ、胸郭(きょうかく)を固定してふんばる力を保つなどさまざまな働きがあります。
今の季節、朝起きて喉がイガイガしたり、声がかすれていると「風邪」や「外気・エアコンによる喉の乾燥」くらいに考えて放置する方が多いようですが、頻繁に起きるようなら「喉の筋肉が衰えている」のかもしれません。「喉の筋力が低下する」と「話す・食べる・飲む」といった当たり前の行為がやりにくくなるだけでなく、ウイルスの侵入を防ぐことができず病気にかかりやすくなったり、ここぞという時にふんばることができずに転倒しやすくなることも。
また器官に食べ物などが詰まってしまう「誤嚥(ごえん)」が起きやすくなり、「誤嚥性肺炎」など死に至る病気を発症することもあるので侮れません!
「喉の筋肉」を日ごろから意識する方は少ないと思いますが、実は40代から衰えていくため、早めの対策が必要と言われています。また食生活の変化で硬い物を食べる機会が減ったことで若い世代でも「筋力低下」が問題に。そして長引くコロナ禍で「人との会話」も減ったことで年代を問わず、「喉」のトラブルに悩む方が増えていると言われています。
「喉」の不調の原因は色々あるため、「喉の筋力低下が原因なのか?」を簡単に診断できるセルフチェックをご紹介!
1.食事時間が前よりも長くなった
2.食事中にむせることが増えた
3.食後に痰がからみやすくなった
4.咳払いをすることが増えた
5.寝ている時に咳が出る
6.薬やサプリメントなど錠剤を飲む時に
ひっかかる感じがする
2つ以上あてはまった方は「喉の筋力が低下している」可能性があります。4つ以上あてはまる方は筋力低下が進み「飲みこむ力」が弱くなっている恐れがあるので要注意。「飲みこむ力」が弱くなると食べたり飲んだりするのが億劫になるので食欲不振に陥り、栄養不足になることも。体に必要なエネルギーが不足すると体力や免疫力が低下し、体全体の健康に影響を与えるため、早期発見&早期対策が大切です。
■「喉の筋力低下を防ぐ」5つの対策法とは?!簡単にできる「ペットボトル対策」もおすすめ
喉の筋力低下を防ぐ「対策法」をご紹介。是非今日から実践しましょう!
1.食事をする際はしっかりと噛んで食べる
2.こまめに水分を摂ることを心がける
3.できるだけ「声を出す」ことを心がける
4.ウォーキングなどの適度な運動で
「体全体の筋力の維持」を心がける
食事をする際はしっかりと噛んで飲みこみやすくすることが◎。噛まずに飲み込むとむせやすくなり、喉に負担をかけることになります。
2の「水分補給」も効果的!喉が乾燥すると飲みこみにくくなったり、発声に影響を与えることもあるので「1日1.5リットル以上」を目安にこまめに摂ることを心がけましょう。
3の「声を出す」ことは「喉の筋肉」の1つである「声帯」を直接鍛えることができるので、是非積極的に声を出していきましょう。家族や友人などと話したり、「買い物に行く時間だ」など独り言でもOK!なかでも効果的と言われているのが「お風呂での一人カラオケ」。お風呂は適度な湿気があり、喉への負担が少ない環境と考えられているので、そこで好きな歌を思いっきり歌いましょう!できるだけ大きな声で話す・歌う方が良いですが、まずは「声を出す」回数を増やすことが「声帯」を鍛えることにつながるので周囲に気を配りながらできる範囲で実践しましょう。
また、体力が低下すると「喉の筋力」も弱ると言われているのでウォーキングなど、適度な運動を続け、体全体の「筋力」を保つこともポイントです。
さらに、もっと積極的に「喉の筋力アップ」をしたいという方は「ペットボトル体操」を!
・中身の入っていない500mlのペットボトルを用意
※ミネラルウォーターなどで使用されている柔らかい材質のもの
・ペットボトルを口にくわえ、ペットボトルが縮むまで大きく息を吸って吐く
※無理のない範囲で。息苦しくなったらすぐにやめましょう!
・5回ほど繰り返す
簡単にできるので、「筋力低下」が気になる方は毎日実践すると良いでしょう。
「喉の筋力アップ」にいい食材はありませんが、「喉の粘膜を保護する」ハチミツや「喉を潤す」リンゴや梨、「炎症を鎮める」レンコンや大根などを摂るのがおすすめ。なかでも「レンコン」に含まれるタンニンは喉の炎症を抑えて咳を鎮めたり、痰を切りやすくなる効果があると言われていることから、乾燥しやすい今の季節にはぴったりです。
さて、ここでクエスチョン!
私たちは日々の生活の中で食べ物を咀嚼し、飲みこむ「嚥下(えんげ)」行動を行うことで胃などに栄養を届けていますが、1日の「嚥下回数」はどのくらいになるでしょうか?
〈1〉1日100~200回程度
〈2〉1日300~400回程度
〈3〉1日600~700回程度
年齢などにより個人差はありますが、一般的に成人の場合「1日600~700回」程度嚥下行動を行っていると言われています。
嚥下行動は飲み物や食べ物を食べている時以外でも唾液や口腔内の細菌などを無意識に飲みこんでいることがあるため、寝ている間も行われていると言われています。
唾液などが飲みこみにくくなってきたら「嚥下機能」が低下している恐れがあるので注意が必要です。