「気象病」は症状に個人差があり、
日常生活が送れなくなることも!
耳鳴りが多い方・乗り物酔いしやすい方は
注意を
「気象病」とは気温や気圧などの変化によって引き起こされるさまざまな症状のこと。
気温差、天候などが原因となることもありますが、最も多いと言われているのが「気圧の低下」。「天気痛」「低気圧不調」と呼ばれることもありますが、幅広い年代で患者が増えていることから、医師の間で注目されています。
「気象病」は頭痛やめまい、動悸が主な症状と言われていますが、個人差が大きく、倦怠感や気分の落ち込みなど多岐に渡ると考えられています。発症原因についても諸説ありますが、私たちは「気圧」の影響で常に体に圧を受けていると言われています。それに対抗するため、体内のさまざまな場所で圧力が発生していますが、急激に気圧が低下すると、体内で発している圧力のほうが高くなるので体に負担をかけたり、体内の水分バランスが崩れると考えられています。また「気圧」が変化すると、体内の水分量が増加。水分量が過剰になると自律神経の乱れや血管の拡張など体に影響を与え、不調を引き起こすと考えられています。
よくある症状だと、放置する方が多いようですが、なかには何日も寝込むほど体調を崩したり、症状が慢性化することで「うつ状態」になったりと日常生活に影響を与えることも!また、もともとあった持病が悪化したり、脳卒中や心筋梗塞など重篤な病気の発症に関わっているとも言われているため、決して侮ってはいけません。
「気象病」は季節の変わり目や梅雨時、台風シーズンに多いと言われていますが、「気圧」の変化によって発症するので、1年を通して注意が必要と言われています。一説によると約1000万人近い方が悩んでいるというデータもあるため、実はいつもの不調は「気象病」だった…なんてことも。
そこで、どんな方がなりやすいのか簡単にできるセルフチェックをご紹介!
1.日頃から耳鳴りがしやすい
2.季節の変わり目に体調を崩すことが多い
3.天気によってかなり気分に変化がある
4.飛行機や新幹線で耳に違和感・痛みを感じる
ことがある
5.エレベーターで耳に違和感・痛みを感じる
ことがある
6.乗り物酔いをしやすい
2つ以上あてはまる方は「気象病」のリスクが高いので注意を!
「気象病」は耳の奥にある「内耳(ないじ)」と呼ばれる器官が敏感な方が起きやすいと言われているので耳の不調を感じやすい方は「気圧の変化」にとくに気をつけると良いでしょう。内耳などの耳の器官が刺激を受けることで起きるため、乗り物酔いしやすいと「気象病」にもなりやすいと考えられています。
■「気象病」にならない・悪化させない効果的な対策法とは?!
「気象病」は季節の変わり目などは不調が長引くことが多いため、「気象病」にならないこれ以上悪化させないための対策法をご紹介!
1.起床時間・就寝時間を決め、
できるだけ規則正しい生活を心がける
2.食事は3食しっかりと、
バランスの良い食生活を心がける
3.できるだけ毎日入浴をし、
心身ともにリラックスする時間をつくる
4.無理のない範囲で軽めの運動を実践する
5.水分を摂り過ぎないよう注意をする
6.室内でエアコンを使いすぎないようにする
7.体調が気になる季節に「天気・気圧・体調」を
記録しておく
気圧の急激な変化で自律神経が乱れたり、血管が拡張することで症状が出ると言われているため、規則正しい生活を行うことが「気象病」にも有効と言われています。睡眠時間が不足したり、平日と休日で睡眠時間が大きく異なると自律神経が乱れやすくなると考えられているので、平日・休日に関わらず、できるだけ同じ時間に寝て・起きる生活習慣を実践すると良いでしょう。
食生活を正すことも規則正しい生活習慣のためには必須!体内の水分量が増えると血管が拡張するため、体に余分な水分を溜める脂っこいものは控えるほうが◎。また入浴は心身ともにリラックスさせ、自律神経の乱れを整えるだけでなく、スムーズな入眠など睡眠にも良い影響を与えるので、シャワーで簡単に…ではなく、湯船につかることを心がけましょう。運動も自律神経を整えるのに効果的!激しいものではなく、ウォーキングなど軽めの有酸素運動でOK。時間がとれないという方は通勤や買い物など外出する際に腕を大きく振ったり、歩幅を大きくして歩くなど、しっかり体を動かすことを心がけるだけでGOOD。不調が気になる時は首を左右に倒すストレッチもおすすめ!首の骨の横にある椎骨動脈は内耳の動脈につながっているため、軽い段階であれば頭痛やめまいの症状が抑えられることがあります。
また体内の水分量が過剰になると血管の拡張などにつながるため、「気象病」が気になる方は「水分の摂り過ぎ」には注意を。「飲む量を減らす」のではなく、一度に大量の水を摂取するのを控え、「少量の水で飲む回数を増やす」ことを心がけましょう。寒暖差も血管に負担をかけるので、室内ではエアコンの使いすぎには注意を。衣類で調整すると血管の急激な拡張を防ぐことができます。
そして「気象病」に悩む方が実践したほうがいいと言われているのが「天気・気圧・体調」の記録。体調などを1ヶ月程度毎日記録するとどんな時に発症するか?がわかるため、頭痛がひどい方は薬を準備するなどの対策を講じることができ、悪化の予防につながると言われています。最近ではこれらを記録できる「気象病対策アプリ」なども出ているので心配な方は活用してみるのも良いでしょう。
「気象病」に良い食材はありませんが、自律神経の乱れを整えると言われている亜鉛を含むレバーやアーモンド、マグネシウムが多い玄米や油揚げを積極的に摂りいれると良いと言われています。「気象病」になると体調不良から食欲不振になるという方が多いようですが、油揚げなら、うどんや煮物などいつものメニューに簡単に加えることができるのでおすすめです。
さて、ここでクエスチョン!
季節の変わり目に頭痛など、体調不良を引き起こす「気象病」。
「低気圧」など気圧の変化も原因の一つと言われていますが、「低気圧」について述べたもので正しいものはどれでしょうか?
〈1〉900hPaより低い気圧のこと
〈2〉1,000hPaより低い気圧のこと
〈3〉とくに数値の基準がない
天気予報などで「低気圧」「高気圧」という言葉はよく聞きますが、どちらも「●●hPa以下・●●hPa以上」などといった数値の基準はなく、気圧が周囲より低いところを「低気圧」、高いところを「高気圧」としています。
「低気圧」になると周囲から風が吹き込み、上昇気流が発生。上昇気流が水蒸気を上空に運び、雲を多く発生させて雨を降らせるため、天気が崩れると考えられています。
気象病の原因として最も多いと言われているのが「気圧の低下」。
気圧がどのくらいまで下がると「気象病」になるかは個人差がありますが、気になる方はウェザーニュースの「天気痛予報」などを活用するとよいでしょう。