ちょっとでも「聞こえが悪い」「耳鳴りがする」は
病気のサイン?!
イヤホンで音楽を聴く方は「ヘッドホン難聴」にも注意を!
朝起きて「耳に痛みを感じる」「ちょっと耳が聞こえにくい」
そんな時、あなたはどうしますか?
「いつもと違うな」と思い、すぐに病院へ行く方は◎!しかしながら大半の方はある程度、我慢できる痛みや不快感、多少の聞こえにくさや耳鳴りなどであれば、病院には行かず「様子を見る」という方が多いのではないでしょうか?
耳のトラブルがあっても風邪や鼻炎など、体調不良が原因、「歳だから」と年齢のせいにしがちですが、子供の時によくかかる「急性中耳炎」や「外耳炎」などとは違い、大人になってから発症する耳のトラブルの多くは適切な対処をしないと重篤になりがち!
主な症状には「突発性難聴」や「加齢性難聴」、めまいを伴う「メニエール病」、「急性中耳炎」をこじらせる「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」など…。これらの多くは放置すると最悪、耳が聞こえなくなることがありますが、「加齢性難聴」は放っておくと認知症の原因に。また「メニエール病」などもめまいがするからと内科などを受診しがちですが、めまいは耳のトラブルによって引き起こされることが多いので、耳鼻科への受診が遅れると症状が悪化することが多いと言われています。
そして近頃、話題になっているのが「ヘッドホン」や「イヤホン」で音楽などを聴くことによる「ヘッドホン難聴」。これはヘッドホンなどで大きな音を聴き続けることで引き起こされる「慢性音響外傷」の一種。スマートフォンの普及などで最近は10代など、若年層にまで急増しているといわれ、WHO(世界保健機関)が警鐘を鳴らすほど問題となっています。
このように耳のトラブルにはさまざまなものがあり、早期発見&早期治療が何よりも重要ですが、なかでも早期発見のカギとなるのが「難聴」と「耳鳴り」。
「難聴」と聞くと「かなり聞こえない」状態をイメージしがちですが、実は「いつもよりちょっと聞こえにくく」ても「難聴」です。また「耳鳴り」も難聴が引き起こす症状の1つと言われています。大人がかかる耳のトラブルで最も多いと言われているのが「突発性難聴」。これについては発症から14日以内にステロイド系の内服薬で治療をするなど適切な処置をすれば完治しやすいと言われていますが、14日を超えると「音を感じる神経の障害が戻らない」と考えられているので、受診が遅れると聴力が元に戻らないことも!ですから少しでも「聞こえにくい・耳鳴りがする」など異変を感じた場合はすぐに耳鼻科を受診することが◎です。
とはいえ、どんな「異変」があればおかしいのか?なかなか判断がつきにくいもの。
そこでおすすめなのが簡単にできるセルフチェック!
1. 朝起きて、音の聞こえ方がいつもと違う
2. ふだんと比べ、音が聞こえにくい
3. 電話の音が遠く感じる、相手の声がいつもより聞こえにくい
4. 耳鳴りが2~3日続く
5. 飛行機に乗ったときのように耳が詰まる、こもる感じがする
6. 耳に水が入った時のような膜が張ったような感じがする
7. 時々、めまいがする
耳の場合、1つでもあてはまったら注意!2つあてはまったら受診が◎!
「頭痛」と「めまい」は区別がつきにくいですが、「ふらつくような感じがあれば」めまいの可能性があるので、まずは耳鼻科を受診することが大切!内科などを受診して痛み止めなどを処方されるとその間に「耳の症状が悪化」することがあるので要注意です。
「耳掃除」のやりすぎはNG!ストレス、疲労を溜めないことも対策に
耳のトラブルについては症状を発症したら即、耳鼻科を受診!が基本ですが、日頃の「生活習慣」を改善することで防ぐこともできます。
具体的に実践して欲しいのは5つ!
1. ストレスや疲労を溜めないように心掛ける
2. 睡眠をしっかりととる
3. ヘッドホンやイヤホンで音楽を聴く時は音は控えめに。
1時間以上は聴かない、毎日聴かないなど「耳を休める」工夫を!
4. 「耳掃除」をやりすぎない。やる場合は1ヶ月に1回程度
5. 指で耳の中を触らない、耳の外側をいじるのも×
耳の病気と言うと風邪などから発症する「急性中耳炎」などが知られているため、体の不調からくるものだと思いがちですが、実は「突発性難聴」など耳のトラブルを発症する主な原因は「疲労とストレス」と言われています。
そこでまずは、疲れやストレスを溜めない生活習慣を心がけることがGOOD。睡眠をしっかりと!ONとOFFのメリハリをつけ、趣味を楽しむなどリフレッシュすることが大切です。
そして「ヘッドホン難聴」が問題になっていると言いましたが、スマートフォンの普及などで音楽や動画をイヤホンで楽しむ人が多いですが、音量は控えめに。毎日、長時間聴き続けると「慢性音響外傷」になり、「聴力」が元に戻らなくなってしまうので、耳に負担をかけすぎない程度に楽しむと良いでしょう。
また「耳掃除」のやりすぎも×!実は耳垢は自然に外に排出されるようになっているので基本的に「耳掃除は不要」と考えられています。逆に耳掃除の際、耳垢をさらに奥に押し込んでしまい「耳垢栓塞(じこうせんそく)」という病気を発症させてしまうことも!さらに耳掃除のやり過ぎで「外耳道」を傷つけてしまう「耳掃除外耳炎(外耳道炎)」になることもあります。耳の中を指で触ることで雑菌が入ったり、耳をいじりすぎることで「外耳道炎」になることもあるのであまり触り過ぎないことがポイント。耳垢が気になるなど、どうしても掃除をしたい場合は1ヶ月に1回程度。めん棒やプラスチック製などのものでなく、弾力があり、耳を傷つけにくい「竹」の耳かきでやる方が良いでしょう。
健康対策には食事に配慮するなど「食生活の改善」も重要ですが、残念ながら耳のトラブルの改善に効果がある食材というのはありません。「難聴」など「聞こえ」に良い食材としてサプリメントなどで話題の「ハチの子」が広く知られていますが、実は「亜鉛」不足が原因であることも!
「亜鉛」が足りなくなると味覚障害などを起こすと言われていますが、最近の研究では「耳」にも影響を与えるのではないか?と考えられており、気になる方は「亜鉛」を多く含む食材を摂取すると良いでしょう。貝類やレバー類に「亜鉛」は多く含まれていますが、食事を楽しみながら…というのであればこれから旬を迎える「牡蠣」がおすすめ!ストレスを溜めないことが「耳のトラブル予防」にも効果的であるので、旬の食材を楽しみながら健康対策をするとGOODです
さて、ここでクエスチョン!
私たちにとって重要な器官でありながら意外におざなりにされがちな「耳」の健康。
「耳」に関するトリビアのうち、間違っているものはどれでしょうか?
〈1〉イタリアでは「耳たぶを触る」ことは「相手への降参」を意味する行為である
〈2〉クジラの年齢は「耳垢」の多さで判断する
〈3〉人間の「耳垢」は耳にとって必要なものである
正解は…
耳たぶは体温が低い場所と言われているので「熱いものを触った時は耳たぶを触る」方が多いようですが、実はイタリアでは「耳たぶを触る」行為は「降参」ではなく、相手を侮辱することと言われているので人前でやることはNG!
また「耳垢」の話が2つ出てきましたが、人間などほとんどの哺乳類の「耳垢」は耳掃除などしなくても自然に排出されるようになっています。
しかし、唯一、クジラだけは耳の穴がふさがっていて、「耳垢」が排出されることがないので垢の溜まり具合を見れば年齢がチェックできると言われています。
「耳垢」という言葉だけ聞くと「ゴミ・汚れ」など不要なものと思いがちですが、実は最近の研究では人間の「耳垢」には殺菌作用があることがわかり、雑菌などから守ってくれる役割があると考えられています。