「寝ても治らない」疲労は要注意!
セルフチェックで「常に自分の体の状態を知る」ことがポイント
疲れた…、私たちがつい口にしてしまう言葉ですが、実は「疲れ・疲労」について一体何なのか?あまり知られていないと言われています。「疲れ・疲労」とは「体の異常を知らせる警告、危険信号」のこと。主な症状として動作が緩慢になる、行動量が減少する、ぼーっとする、注意力が散漫になるなどが挙げられます。
これだけ見ると「疲れなんていつものこと、大きな問題ではない」「病気ではないから大丈夫」と放置してしまいがちですが、「1日寝れば回復する」程度であればOK!
問題なのは「寝ても回復しない疲労」。
このような疲労は「慢性疲労」と呼ばれる症状で医学的には「睡眠をとっても疲れがとれず、3~6か月以上疲労症状が続く」ことを言います。
最近はこの「慢性疲労」に悩んでいる方が急増!「慢性疲労」は「寝れば治る日常的な疲労」とは異なり、常にだるさが続く状態に。また不眠や朝起きることができない、目や肩に違和感を感じる、思考力や集中力の低下といった症状が出ると言われています。
「慢性疲労」に陥ってしまうと「今までできたことができなくなる」など日常生活に影響を与えるだけでなく、放置しておくと狭心症や急性心筋梗塞といった「突然死」を招くことも!冒頭で「疲れとは体の異常を知らせる警告、危険信号」と説明しましたが、「慢性疲労」の場合、心臓や肺、肝臓など内臓系の異常、糖尿病、高血圧といった病気が原因で起こっていることもある為、「疲れ」だからと言って無理をしてしまうとこれらの病気を進行させてしまうこともあるので危険です!
とはいえ、「慢性疲労」であってもなかなか自分で気づくことは難しいと言われています。
そこで是非実践して欲しいのが下の「過労度を診断できる」セルフチェック
1.体がだるい
2.目がすぐに疲れる
3.すぐ肩がこる
4.夜すぐに寝つけない
5.便通が不規則
6.朝は食欲がない
7.仕事や家事などのとりかかりが遅い
8.ケアレスミスが増えた
9.ぼーっとしたり、ぼんやりすることが増えた
10.乗り物に乗る際、座れないと耐えられない
仕事が繁忙期で残業続き!転居や冠婚葬祭など「特別なことがあった」場合は除きますが、とくに日常生活に変化がないのに1~10のうち、4つ以上あてはまる場合は「疲労が溜まっている可能性」があるので注意!
さらに、その状態が「1週間以上続いている」場合は「慢性疲労」の一歩手前と言われる「亜急性疲労」の可能性が…。
このまま放置しておくと「慢性疲労」になる恐れがあるので食欲があるか?便通は?夜はしっかりと睡眠がとれているか?など、「自分の体の状態」をしっかりとチェックすることが大切。さらにできるだけ「睡眠やリラックスの時間」を増やすことを心がけ、それでも状態が変わらなかったり、日に日に悪化する場合は医師の診断を受けるなど早めに対策をすると良いでしょう。
疲れを溜めない秘訣は「食事・睡眠・運動」。○×形式で正しい対策法をチェック!
「疲れにくい体」にする為にはどのようにしたら良いのでしょうか?
やはり何よりも
1.体に負担をかけない食生活を実践する
2.質の良い睡眠
3.血流を良くする運動を習慣づける
など、シンプルですが、「食事・睡眠・運動」の3つが大切!
まず「食事」ですが、「疲れた日、元気をつける為に夕食に焼肉や刺激のある辛いものをモリモリ食べる」は○でしょうか?×でしょうか?
答えは×。
「体に負担をかけない食生活」とは1日3食バランス良く食べることが基本ですが、「高脂肪・高たんぱく」の食事を多く摂ることで内臓に負担をかけ、疲労の原因になることがわかっています。その為、焼肉や刺激の強い辛いものを食べてエネルギーチャージをすることも良いですが、疲れている時はさらに内臓にダメージを与えることもあるので控えた方が○!また、インスタント食品や添加物が多い食品、アルコールなどを「食べ過ぎない」「飲み過ぎない」ように心がけましょう。
続いて「睡眠」。
「リラックスして眠る為、手足を伸ばしてあおむけに眠る」は○でしょうか?×でしょうか?
答えはこちらも×。
「あお向け」に眠ると気道を圧迫し、いびきをかきやすくなるので「無呼吸」になる恐れが!睡眠時に無呼吸状態になると脳への酸素供給量が不足し、疲労が溜まる原因になる為、できるだけ「横向き」で眠るようにするとGOOD。「睡眠」については「長く」摂ることも大切ですが、「満足する睡眠時間」にはかなり個人差があり、「●時間寝れば◎」というものはありません。重要なのは長さよりも「質」。スムーズな入眠、中途覚醒をしないなど、朝起きて「よく眠れた」と思える睡眠が実践できればOK。現代人は不眠がちと言われる為、なかなか難しいかもしれませんが、就寝前は携帯電話やパソコンを見ない、仕事の日も休みの日も同じ時間に起きる、朝起きたらカーテンを開けて太陽を浴びるといった習慣を続けていれば不眠が改善できると言われているので実践すると良いでしょう。
最後に「運動」ですが、「1日10分程度、ストレッチやヨガで体をほぐす」は○でしょうか?×でしょうか?
答えは○。
「長時間同じ姿勢」で仕事をする方や「運動不足」の方は血流が悪く、ちょっと無理をしただけで筋肉に負担がかかり、疲労を感じることが多いので、1日10分ストレッチなどでも良いので「血流を良くする運動」を続けることが◎!ウォーキングなども効果があるので「疲れ」を溜めない程度に体を動かすのがポイント。ストレス解消といって汗をたっぷりかく運動も良いですが、疲れが溜まっている時にさらに体に負荷をかけるのは逆効果になることもあるので要注意。日頃からしっかり運動をしている方ならOKですが、運動習慣のない方が汗をたっぷりかくほどの運動をいきなりすることはダメージを深めることになるので控えましょう。
さらに「疲労回復効果がある」ビタミンB群や「抗酸化作用が強い」ビタミンCを多く含む健康食材を積極的に摂るのも良いでしょう。疲労回復系食材としてうなぎやニンニク、最近では鶏肉なども人気があるようですが、とくにおすすめなのが「卵」。
「卵」はビタミンB群が豊富なだけでなく、疲労回復に良い「アミノ酸」も豊富!また良質なたんぱく質も多く含まれているので、慢性的な疲労感やだるさの解消に効果が期待できます。
さて、ここでクエスチョン!
「お疲れ気味」な方が多いと言われる日本人。最近の研究で「疲れ」は「食事の仕方」で改善ができると考えられています。下の2つのうち「疲労回復」に効果がある「食べ方」はどちらでしょうか?
〈1〉1日2回、朝多め、夜は少なめに食べる
〈2〉1日5回、少量づつ小分けにして食べる
正解は…
「疲れを溜めない体づくり」には1日3食、毎日適切な時間に、バランスの良い食生活を続けることが大切ですが、時間が不規則という方は1日5回「小腹がすいたな」と思ったら少量づつ食べることが◎。
1日3回でも朝6時に食べて昼は15時など食事の間隔が空くと急激に血糖値が上ってしまうため、イライラしたり、体に負担をかけると言われています。
あまり食事の間隔を空けず、小まめに食べることで血糖値の上昇をゆるやかにすることができるので疲れにくい体に○!
ですが、「食べる量」には注意が必要。
あくまでも回数を増やすだけであって量を増やすわけではないので「食べ過ぎない」よう心がけましょう。