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「骨粗鬆症」は自覚症状が少ないので気づいた時には手遅れに?
体の「変化・サイン」を見逃さず、早期発見&早期対策を

「骨」は私たちの体を支えてくれる重要な組織。他にも脳や内臓などを保護したり、血液を作ったり、カルシウムやミネラルを体内に蓄えるなどさまざまな機能があることがわかっています。

体の土台となる組織のため、骨は体にある組織の中で歯の次に壊れにくくて丈夫!しかし年齢とともに骨は「もろく」なったり「弱くなる」と言われています。実はあまり知られていませんが、骨は肌や髪などと同様、古い骨を破壊し、新しい骨を作るという「生まれ変わり」を繰り返すことで「強度」「密度」の高い骨を保ち、体を支えてくれています。
しかし年齢を重ねると「新しい骨を作る」働きよりも「骨を破壊する」細胞の働きが活発に!骨がもろくなったところで即健康被害につながるというわけではありませんが、ちょっとのつまずきやくしゃみなどの衝撃で骨折しやすくなると言われています。とくにシニア世代の方が足腰を骨折するとそのまま「寝たきり」や「要介護」になるリスクが!

また認知機能が低下しているシニア世代が長期間、脳などへの刺激が少ない「寝たきり」の生活が続くと「認知症」の症状が進行するとも言われており、「骨の健康」を保つことこそ、「人生100年」を自分らしく楽しむためのカギとなるのです。

そんな骨のトラブルとして最も気をつけなくてはならないのが「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」。「骨粗鬆症」とは「骨を破壊する細胞」の働きが活発になることで骨がスカスカになり、骨折しやすくなる病気。以前は年齢を重ねた方に多い病気と言われていましたが、最近では生活習慣の乱れから20代、30代でも発症する方が増えており、性別・年齢を問わず気をつけなくてはならない「現代病」の1つと考えられています。

骨粗鬆症は骨折しやすいだけでなく、自覚症状が少ないのが特長。「痛み」など、自覚するほどの症状が出た際には治療が難しいと言われているので、ちょっとの「変化・サイン」を見逃さず、少しでも「早期発見」をすることが大切です。

まずは骨粗鬆症になりやすいかどうか?シニア世代はリスクがあると言われていますが、それ以外の世代でも

1.家族など血縁者に骨粗鬆症の人がいるor過去にいた
2.女性の方で日頃から月経が不順or閉経した方
3.外に出たり、運動をするのが苦手
4.何回もダイエットをしている
5.喫煙習慣がある
6.毎日飲酒をするなどお酒は欠かせない

1~6のうち、1つでも当てはまる方は注意!
骨粗鬆症は加齢の他、遺伝や生活習慣の乱れが原因で起こりやすくなると言われています。
まず1ですが、骨格や骨の質などは遺伝的な部分も多いので、家族などの血縁者に骨粗鬆症の方がいる人は同じように「骨がもろくなりやすい」と考えられています。

次に2ですが、女性ホルモンには骨に欠かせない栄養素であるカルシウムの吸収や骨密度を保つ働きがあります。閉経後はその女性ホルモンの量が急激に減少するため、骨がもろくなりやすい傾向に!月経不順の方も女性ホルモンの分泌が正常ではないと考えられているのでリスクが高いと言われています。

また適度な運動は「骨を作る」細胞が活性化するため、運動不足はNG。過度なダイエットもカルシウムなど骨に必要な栄養素が不足する傾向に。特に女性の場合、一般的に20代で骨量は最大になるのですが、10~20代で過度なダイエットをして十分な骨量を形成できないと閉経後すぐに骨粗鬆症になることが多いと言われているので、無理なダイエットは絶対に控えましょう。

そして喫煙や飲酒も骨の形成に欠かせないエストロゲンや「骨を作る」細胞の働きを妨げるので骨の健康にはNGです。

自覚症状がないと言われる骨粗鬆症ですが、

1.以前よりも身長が低くなった
2.背中が丸くなってきた気がする
3.何もしていないのに腰や背中に「痛み」に近い違和感を覚えるようになった

こんな「サイン・変化」があったら「骨量」の検査をするなど、骨粗鬆症なのか?チェックをしてもらうと良いでしょう。
自治体が定期的に実施している場合もありますが、最寄りの保健所や民間の医療機関でも「骨量」の検査はできることが多いので早めの対応が◎です。

運動・日光浴・バランスの良い食生活で骨粗鬆症を予防!「床ドン」運動も効果的

骨粗鬆症は自覚症状が少なく、気づいたときにはかなり進行していて完治が難しいということが多いため、まずは骨粗鬆症にならないよう「対策」をすることが大切!

具体的には

1.毎日適度な運動をする。
2.天気良い日は太陽の光をしっかりと浴びる
3.バランスの良い食生活を心がける

を実践していきましょう。

運動で刺激を与えることで「新しい骨を作る」細胞が活性化すると言われているため、毎日できる範囲でかまいませんので運動をする時間を作りましょう。一般的に骨に負荷をかけられるスクワットが効果的と言われていますが、膝や腰に自信がないという方には20~30分程度のウォーキングでもOK。また家の中でできる運動としておすすめなのが、両足のかかとを上げてそのままドンと下へ落とす「床ドン運動」。1回に20回程度、1日3セットほど自分の好きな時に行うことで骨の強化に!床へかかとを落とす際、強くやりすぎると膝や腰を痛めることがあるので最初は軽めにすると良いでしょう。

また太陽の光を浴びることも骨の形成には◎。骨の形成に必要なビタミンDを体内で合成するために日光浴は欠かせないので「日焼けがイヤ」とは言わず、少しでも良いのでお天気が良い日は外に出るなど太陽を浴びることを意識しましょう。

そして偏った食生活も栄養不足や女性ホルモンの乱れなどにつながるため、バランスの良い食生活を心がけましょう。「骨を作る材料」となるカルシウムを意識的に摂るのもGOOD。カルシウムを含む食材と言えば牛乳や小魚などが有名ですが、カルシウムは体に吸収しにくく、かつ「骨に取りこみにくい」栄養素と言われているため、カルシウムだけを大量に摂っていても×。そこで最近注目されているのが小松菜。カルシウムだけでなく、カルシウムを「骨に取りこむ」のを助けてくれる「ビタミンK」も豊富に含んでいるため、「骨の健康」をケアするにはぴったりの食材。メニューにも加えやすいので毎日積極的に摂ると良いでしょう。

さて、ここでクエスチョン!

「骨」は私たちの体を支えてくれる重要な働きをしていますが、その「骨」について正しいことを述べているのは2つのうちどれでしょうか?

〈1〉「骨の数」は生まれてから死ぬまで変わることはない。
〈2〉キリンと人間の「首の骨の数は同じ」である。

正解は…

キリンと言えば、「首が長い」動物として知られていますが、首の骨の数は7個!
人間など他の哺乳類と同じで、意外に少ないことがわかっています。
一方、人間の「骨の数」は成人では一般的に206本と言われていますが、実は新生児の時は約350本と100本以上多いと言われています。
生まれたての赤ちゃんは首が座っておらず、頭も体も柔らかいですが、その理由は骨の大半が「軟骨」など細かい骨で構成されているから。
けれど成長とともにこれらの骨がくっつき、強くてカタい骨になっていくため、成人になるときには206本くらいになるそうです。

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