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虫歯よりも怖い…。歯を失う原因のトップが「歯周病」!
痛みも見た目の変化も少ないので「セルフチェック」で早期発見を

「歯周病」とは、口内の細菌によって歯の組織が破壊される炎症性の疾患のこと。口内には約500種類もの細菌がいると言われています。それ自体はとくに歯に悪い影響を与えるものではありませんが、歯磨きが十分でなかったり、甘いものを食べ過ぎると細菌がそれらの物質とくっつき、歯や歯茎に付着。歯茎などに細菌が多く蓄積すると「炎症や腫れ」といった症状が起こり、進行すると「歯槽骨」という「歯を支える土台」が溶けて歯が抜け落ちてしまうと言われています。

歯のトラブルと言えば「虫歯」ばかりを気にしがちですが、実は「歯を失う原因のトップ」が歯周病。痛みや歯が欠けるといった変化がわかる虫歯と違い、歯周病は初期段階の「歯の炎症や腫れ(歯肉炎)」ではとくに自覚症状がないので悪化しやすい傾向に。

さらに歯周病が進行すると毒素を持った歯周病菌が血液内に侵入。体内を巡り、各臓器にダメージを与えることで、狭心症や心筋梗塞、肺炎といった病気のリスクを高めるなど、全身の健康に影響を与えることがわかっています。

とくに最近では歯周病と糖尿病の関係性が話題に!歯周病は糖尿病の合併症の1つと考えられていましたが、実は歯周病は血糖値を下げるインスリンの働きを阻害するので、糖尿病を悪化させる原因に。そのため、歯周病治療をすることで糖尿病の症状が改善することが明らかになっています。

「歯」だけでなく、「体の健康」のためにも歯周病の「早期発見・早期治療」が重要ですが、
簡単にできるセルフチェックがこちら↓↓

1.朝起きると、口の中がネバつく。
2.歯磨きをしたときに出血しやすい。
3.歯肉の色が赤い、どす黒い感じに見える。
4.口臭が気になる。
5.歯肉に違和感や痛みを感じるときがある。
6.疲れたとき歯肉が腫れやすい。
7.かたい物が噛みにくくなった。
8.歯が伸びた。長くなったような感じがする。
9.歯と歯の間に食べた物がはさまりやすくなった。

「自覚症状」が少ないと言われる歯周病ですが、上の質問で4つ以上あてはまる方は「歯周病」の可能性が!それ以上の方は多ければ多いほど進行している恐れがあるのでできるだけ早く歯科医に相談に行くと良いでしょう。

「だらだら食い」は菌が付着しやすいので×!喫煙習慣も歯周病にはNG!

歯周病や虫歯対策は1日3回の「歯磨き」が大切ですが、発症&重篤化は「生活習慣」が原因とも言われています。まずは歯周病にならないように、進行させないように、

1.バランスの良い食生活を実践する。
2.おやつや飲酒は適度に。「だらだら食い」はNG!
3.ストレスを溜めないようにする。
4.喫煙者はできるだけ本数を減らす。
5.歯を食いしばったり、歯ぎしりをしない。

5つの「予防法」を実践することが大切!

まずは「食生活」。甘いモノやわらかいものを多く食べる習慣は、歯周病の原因菌を増殖される原因に。栄養の偏りは歯の組織の免疫力を低下させると言われています。2の飲酒自体は即悪影響を与えるものではありませんが、お酒を飲みながら長時間食事をすることは「だらだら食い」につながるのでNG!おやつもTVを見ながら何となく食べる…といった「だらだら食い」を続けていると歯茎に細菌が付着しやすくなるので食べるものや量を決め、食べた後はうがいをするなど対策をすると良いでしょう。

「歯周病予防」には「良く噛む」ことも大切なため、歯ごたえのあるナッツ類や豆類を積極的に活用するのも◎!歯周組織はコラーゲンで構成されているので、コラーゲン生成に役立つビタミンやカルシウム、鉄などを含む食材を摂りいれるとGOOD。なかでもビタミンCやB、Eは歯茎の血流を促進し、粘膜を修復する働きがあると言われているため、ビタミンは意識して摂るようにしましょう。これらの成分は緑黄色野菜に多く含まれていますが、とくにブロッコリーはビタミン類だけでなく、「歯茎の健康に良い」と言われる食物繊維も含んでいるためおすすめです。

続いて3のストレスも暴飲暴食につながったり、体の抵抗力を下げるので溜めないことを心がけて!4の「喫煙」についてはタバコに含まれる成分が血管を収縮させ、歯茎が血行不良になるため、歯周病になりやすくなることがわかっています。また重症化しやすく、治療効果も低いと言われているので、歯の健康が気になる方は本数を少しでも減らすことを心がけましょう。
さらに「歯を食いしばる・歯ぎしりをする」クセのある方は歯や歯茎に負担をかけるので注意を!義歯や詰め物が適合していないなど噛みあわせが悪いことで「歯ぎしりをする」場合はなるべく早く病院へ行き、治療をしてください。

最後に「歯周病になりにくい歯磨きの仕方」をご紹介!
・力を入れすぎず、1本1本丁寧に歯ブラシを小刻みに動かして磨く。
・歯ブラシの角度を変えて、各歯にきちんと「毛先」を当てて磨くようにする
・磨く順番を決めて、磨き残しを防ぐ。
とくに歯と歯の間、歯と歯茎の境目 、前歯&奥歯の後ろ側を忘れずに。
ちゃんと磨けているか「鏡を見ながら」磨くのも◎です。

さて、ここでクエスチョン!

「虫歯」や「歯周病」の原因になると言われる「プラーク(歯垢)」。「プラーク」とは一体何なのか?下の2つから選んでください。

〈1〉食べかすが腐ったもの
〈2〉細菌の塊

正解は…

「プラーク」は「歯垢」とも言われるため、「食べかすが蓄積し腐ったもの」と思っている方が多いようですが、実は「食べかす」とは全く関係のない「細菌の塊」。
口の中にいる約500種類の細菌が歯の表面や歯と歯の間歯と歯茎の境目などに付着しトラブルを起こすと言われています。
一説によるとプラーク1mg中に存在する細菌の数はなんと約10億個!
粘着質でネバネバしていることから水に溶けにくく、うがいなどでは落とすことが難しいと言われ、歯ブラシや歯間ブラシで丁寧に落とす必要があります。

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