ヘルスケアNEWS

咳が「2週間」以上続くようなら要注意!
肺がん、結核…のリスクも!
「咳喘息」は放置しておくと完治しにくい「気管支喘息」に~

「咳」とは体を守るために備わっている防御反応のこと。気道内に異物などが侵入した際、その異物を排除するために起こります。「咳」が出ると多くの方は「風邪」と考え、発熱やのどの痛みなどの症状がなければ放置しがちですが、「2週間」以上続くようなら要注意!

「風邪」や「インフルエンザ」などウイルスや細菌による感染症で「咳」が出る場合、このような「咳」は医学的に「急性の咳」と呼ばれていますが、薬を飲んだり安静にしていれば徐々に軽減し、長くても2週間程度で治まることが多いです。ですが、2週間たっても治まらない場合、とくに8週間たっても改善しない場合は「慢性の咳」とされ、他の病気が原因の可能性が!肺がんや結核で「咳」が長引くこともあるので、速やかに医師の診断をうけ、原因を知ることが大切です。

また新型コロナウイルスでも「咳」の症状が報告されていますが、厚生労働省によると「発熱やのどの痛み、咳が長引くこと(1週間前後)が多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える方が多いことが特徴」とあります。コロナについては「熱だけで咳は出なかった」「気にするほど咳が出なかった」など個人差があるため、判断が非常に難しいですが、いずれにしても「1週間以上咳が続く」場合は注意が必要です。

「咳が続く期間」が早期発見の1つのポイントになりそうですが、「風邪が原因なのか?」を診断できるセルフチェックをご紹介!

・「一日中」咳が出る
・「夜(寝る前、就寝中)」に咳が出る
・「夜明け前(咳で起きることがある)、起床直後」に咳が出る
・「冷たい空気に触れる」と咳が出る
・「人との会話の最中」に咳が出る
・ 一度咳が出ると「止まらなくなる」
・ 咳をするときに「色のついた痰」が出る
・ 階段の上り下り、少し走っただけで「息切れ」がする
・「呼吸がゼイゼイする。ヒューヒューと音がする」ことがある
・「台風が多いシーズン、季節の変わり目」になると咳が出る

1つでもあてはまるものがあれば、「風邪」ではない可能性が!

とくに「夜」「夜明け前・起床直後」に出る場合は心不全、結核、胃食道逆流症、「色のついた痰」が出る場合は肺がん、結核、上気道炎、気管支炎、肺炎、 肺化膿症などのリスクがあるので、すぐに病院で診断をうけましょう。

また最近「長引く咳」の原因として患者が急増しているのが「咳喘息(せきぜんそく)」。
気道の粘膜に炎症が起こり、気道が狭くなることで激しい咳が出る病気です。痰などは出ず、呼吸がゼイゼイ、ヒューヒューすることもありませんが、ホコリや湯気、冷たい空気、たばこの煙などちょっとした刺激に反応し、咳が止まらなくなります。風邪がきっかけで起こることが多いですが、最近は疲労やストレスでいきなり発症することも!台風シーズンや季節の変わり目に悪化することが多いと言われています。

「咳喘息」は風邪薬や咳止めが効きません!放置しておくと完治が難しいと言われる「気管支喘息」になり、肺の機能がどんどん低下していきます。実際、咳喘息患者の3~4割が気管支喘息に移行するというデータもあるため、早めに対処することが大切です。

■「長びく咳」には「適切な治療」に加え、「乾燥とウイルス&雑菌」対策を!

まずは「咳」の原因を知り、薬を飲んだり医師の診断を受けるなど適切な対応をとることが重要ですが、長引く咳を少しでも楽にする「対策法」はこちら。

・水分を多めに摂る
・蜂蜜など「咳を鎮める」効果があるものを摂りいれる
・加湿器やエアコンを効果的に活用する
・うがいや歯磨きをしっかりとする
・家の中でもマスクをする

一般的に「咳」は口腔内が乾燥すると出やすいと言われているため、水分を多めに摂って乾燥させないようにしましょう。冷たいものよりは常温&ホットが◎!コーヒーに含まれるカフェインには気管支を拡張する働きがあるため、朝や日中、咳が気になるときは活用すると良いでしょう。1歳以下の赤ちゃんにはNGですが、抗炎症作用がある蜂蜜をなめるのも効果的。

またウイルスは室温が26度くらい、湿度が45~50%だと活性しにくくなると言われているため、加湿器やエアコンで温度や湿度を一定に保ちましょう。これ以上、ウイルスや雑菌で症状を悪化させないよう「うがい・歯磨き」「マスクの着用」もおすすめ。コロナウイルス対策で外でもマスクをしていると思いますが、室内では「新しいマスク」を着用し、ウイルスや乾燥からしっかりと守りましょう!

さらに「対策法」でも紹介したように「蜂蜜」など咳を鎮める効果がある食材を積極的に摂ることも◎。香り成分で咳を鎮める春菊や粘膜系をケアしてくれるレンコンの他、「咳」対策にはオクラがおすすめ!咳を鎮めるには咳の原因となる物質を体に侵入させないよう喉などの粘膜をケアすることが大切ですが、オクラは粘膜強化に効果があると言われています。また、咳で体力を消耗すると食欲が出ないことも多いですが、胃に優しく消化を促す効果もあるので食欲がない時でもしっかり栄養補給ができます!

さて、ここでクエスチョン!

寒くなると風邪などで「咳」をする人が急増!「咳」とよく似た症状に「くしゃみ」がありますが、咳とくしゃみの違いを述べたもので正しいものはどちらでしょう?

〈1〉咳とくしゃみの時速を比較すると咳の方が速い
〈2〉咳とくしゃみは起きる場所が違う

正解は…

くしゃみと咳は同じ口から出る症状ですが、くしゃみが「鼻粘膜などの上気道」に刺激や異物が入った際に起こる反射的な防御反応に対し、咳は「肺や気管支」の分泌物や異物を強制的に排出させる生体反応と考えられています。
どちらも体を異物から守るために起きますが、くしゃみの方が「突発的・反射的」な反応のため、その威力も強烈…。一般的に咳の時速が200~220キロと言われているのに対し、くしゃみは160~320キロとも!
くしゃみは咳と違い、突発的、かつあまり連続して出るものではないので対策も軽視しがちですが、飛沫が飛ぶ距離も咳が約2~3メートルに対し、くしゃみは3~5メートルと言われているため、咳エチケットと同様、くしゃみに対してもしっかりと対策をすることが重要です。

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