「マスク、手洗い、除菌」、間違ったやり方では逆効果に?!
厚生労働省の資料から「正しい予防法」を徹底解説!
秋から冬にかけて注意しなければならないのが新型コロナウイルスとの同時流行が懸念されているインフルエンザの他、風邪やノロウイルスなどウイルス性の感染症。
ノロウイルスは吐き気、嘔吐、下痢、腹痛が主な症状であり、発熱は軽度で済むことから他のウイルス性感染症と区別はつきやすいですが、新型コロナウイルスやインフルエンザ、風邪は症状が似ているため、自身で判断をするのは難しいと言われています。
風邪は感染源となるウイルスが大変多いため、どのウイルスに感染したか?によって症状は異なりますが、喉の痛み、鼻汁、くしゃみや咳などの症状が一般的。全身症状はあまり見られず、インフルエンザのように高熱がでることが少ないとされています。インフルエンザについては発熱の他(38度以上の高熱になることも)、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身の倦怠感など全身症状が出るのが特徴。これらの症状が急に出ることが多いため、突然発症したり、急に悪化した場合はインフルエンザの可能性があるので病院へ行きましょう。
そして新型コロナウイルスについては無症状の方も多く、かなり個人差があるようですが、発熱や喉の痛み、長引く咳(1週間前後)の他、強いだるさ(倦怠感)や味覚障害が起こることが報告されています。少しでもあやしい…と思ったら外出を控え、家族を含め、他人との接触はできるだけ避けること!検査や治療については厚労省によると「帰国者・接触者相談センターやかかりつけ医、地域の相談窓口などに電話」とあるため、すぐに相談をすると良いでしょう。
どの「感染症」に対しても「病気を正しく理解」し「早期発見・早期対策」をすることが大切ですが、最も重要なのは「罹患しないこと」。そのためにも「マスク・手洗い・除菌」で予防するにはどのようにすればよいのか?しっかりと理解していきましょう!
まずは「マスク」。感染症の多くは飛沫感染、接触感染で罹患するため、飛沫感染を防ぐ効果が期待できる「マスク」は重要な「予防アイテム」の1つとされています。咳をしなければマスクは不要では?と思いがちですが、閉鎖した空間で、多くの人と近距離で話をする場合、咳やくしゃみなどの症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされています。WHO(世界保健機構)の調査によると5分間の会話で1回の咳と同じくらいの飛沫(約3,000個)が飛ぶことがわかっているため、屋外など人と十分な距離(2メートル以上)が確保できる場合以外はできるだけマスクをした方が良いでしょう。
正しい「マスクの着用法」ですが、政府インターネットテレビによると
① マスクを着ける前にしっかりと手洗いをする
② 鼻の形にマスクを合わせ、隙間ができないようにする
③ ゴムひもを耳にかける
④ マスクの鼻あてを片手でおさえながら、アゴを包むように顔に密着させる
ことがポイント!
不織布マスクは1回使用したらビニール袋に入れ、口を閉じて捨てましょう。この時、ウイルスが付着している可能性があるマスクの外側などに触れないよう注意を!布製のマスクなど繰り返し使えるタイプについては毎日しっかりと洗浄をし、常に清潔に保つことを心がけてください。
■接触感染の予防にはウイルス除去ができる「手洗い・除菌」が◎!
次に接触感染の予防法。一般的に感染症の多くはウイルスが付着した物に触れた手で「口や鼻などの粘膜を触る」と、そこからウイルスが侵入し、感染すると言われています。ウイルスは目に見えないため、接触感染にはつい油断しがちですが、WHOによると例えば新型コロナウイルスの場合、プラスチックの表面では最大72時間、菌が生存することがわかっています。また多くの人は目や口、鼻などの粘膜を無意識に触っているというデータもあるため、付着したウイルスを除去する効果が期待できる「手洗い・除菌」を実践すると良いでしょう。
まずは「手洗い」。感染症を予防できる正しい「手洗い法」は
① 流水で手を濡らした後、石けんやハンドソープを泡立てながら
「手のひら」同士をよくこすり合わせる
② 「両手の甲」をこすり洗いする
③ 「指の間」を洗う
④ 「親指と手のひら」をねじり洗いする
⑤ 「指先、爪の間」も丁寧に洗う
⑥ 「手首」を洗い、流水でしっかりと洗い流す
⑦ 清潔なタオルで水分を残さず拭き取る
※①~⑥は最低でも15秒以上。
石けんで10秒洗い、その後流水で15秒すすぐとより効果的!
手洗いについては新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザや風邪などさまざまな感染症予防に効果があることがわかっています。手洗いなしで約100万個あったウイルスが石けんやハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぐと、約0.01%(数百個)に!2回繰り返すと約0.0001%(数個)にまで激減するため、是非実践しましょう。「手洗いのタイミング」ですが、
・公共の場所から帰ってきたとき
・咳やくしゃみ、鼻をかんだとき
・ご飯を食べる前、ご飯を食べた後
・病気の方のケアをしたとき
・外にあるものにさわった時
にするとOK!しっかりと手洗いをすればその後にアルコール除菌は使用しなくても効果は期待できるため、まずは「正しい手洗い」習慣を引き続き頑張っていきましょう。
「除菌」も新型コロナウイルスの他、インフルエンザやノロウイルスなど、感染症予防に良いと言われています。とくに多くの人が触れるドアノブや手すり、テーブル、トイレなどをしっかりと消毒する習慣をつけると◎。アルコールも良いですが、「塩素系漂白剤」を濃度0.05%に薄めたものや有効な界面活性剤が含まれる「家庭用洗剤(NITEウェブサイトで製品名がわかります)」を使うのもGOOD!また「除菌のやり方」ですが、基本は「一方向に拭く」こと。しっかり拭かなきゃ!と往復して何度も拭く方がいますが、せっかく除去したウイルスを再度付着させることになるのでNG。テーブルの場合、側面もウイルスが付いている可能性があるのでこちらも忘れずに。除菌の後に「手洗い」をすると、もしウイルスが付いていても除去できるので「除菌→手洗い」がおすすめです。
最後に外から予防するだけでなく「感染症に強い」カラダ作りをすることも大切!そのためには「免疫力」を高めることがカギですが、カラダを温めてくれる生姜やカボチャなど「温活」食材や「腸内環境を整える」乳酸菌の他、免疫力アップに効果がある「豚のヒレ肉」が◎!実はカラダの中でウイルスと戦ってくれる「免疫細胞」の素となっているのがたんぱく質。豚のヒレ肉はこのたんぱく質を豊富に含むだけでなく、疲労回復に効果があるビタミB群も摂取することができるため、感染症対策に一石二鳥の効果が!
カラダの中と外からしっかりと対策をして元気に乗り切っていきましょう。
さて、ここでクエスチョン!
いよいよ感染症シーズンが到来。インフルエンザや新型コロナウイルスなどさまざまな感染症がありますが、以下の3つのうち「世界三大感染症」に入っていないものはどれでしょうか?
〈1〉マラリア
〈2〉ペスト
〈3〉HIV(エイズ)
正解は…
今話題になっている新型コロナウイルスなど、世界各地でさまざまな感染症が蔓延していますが、毎年多くの死者を出している「マラリア」「結核」「HIV」を「世界三大感染症」としています。
「ペスト」は14世紀に爆発的に流行し、多くの死者を出した感染症として知られていますが、20世紀に入り流行は鎮静化。WHOによると2010~2015年の報告数は世界全体で3,248例にまで減少しているそう。
このようにさまざまな感染症が発生し、そのたびに対策や予防策が講じられていますが、「世界三大感染症」については長年、感染の拡大を封じ込めることができず、世界規模で流行が続いているためとくに重要視されています。
予防や治療に関わる莫大な費用も含め、一国のみで解決できる問題ではないことから世界各国が連携して対策を進める動きが高まっています。