疲れや年齢が出やすい目元
何気ない会話をするときにも自然と視界に入る目元。ひと目顔を合わせただけでも「なんだか疲れてそう…」「寝不足かな?」「この人、けっこう年上かも」などと感じたことはありませんか?
目元は顔の中でもとくに疲れや老化がでやすい部分で、なかでも気をつけたいのがたるみです。若い頃に比べて目尻が下がった、下まぶたがふくらんできた、目の下にくぼみや影が…。そんな目元のたるみはアイメイクでもなかなかフォローしきれず、老け顔をつくりだしてしまいます。
見た目を左右するからこそ怠りたくない目元のケア。たるみの原因や日々の対策などをみていきましょう。
年齢とともに目元がたるむのはなぜ?
目元は普段からまばたきによる負荷がかかっています。そもそも、絶え間なくまばたきをする目の周辺の肌は、伸縮しやすいよう薄くできているため、乾燥しやすくハリを保ちずらい部位です。さらに、肌のすぐ下にあるまぶたを開閉させる「眼輪筋(がんりんきん)」は、年齢とともに薄くなったり、緩んだりします。これらのダメージの蓄積などにより目元にはたるみが生じてしまうのです。
下まぶたのぷっくりしたふくらみは「涙袋(なみだぶくろ)」と呼ばれ近年は若い女性に好まれていますが、これは眼輪筋が過剰に発達したものです。笑った時などにふくらみが強調されます。涙袋よりも下方にあるふくらみは「目袋(めぶくろ/バギーアイ)」と呼ばれ、これは眼球を取り囲んでいる脂肪が前方に押し出されることで起こる現象です。加齢とともに重力によって押し出された脂肪が前方へ突き出し、まるで袋が垂れたように目立ってしまう状態を「袋状眼瞼症(ふくろじょうがんけんしょう)」といい、この目元のたるみが老け顔の一因になります。
なお、まぶたが開きづらくなる「眼瞼下垂(がんけんかすい)」という病気もあります。加齢や目のこすり過ぎのほか、過度なカラーコンタクト・つけまつげ・まつげエクステンションなどによって悪化することがあり、放っておくとまぶたをうまく持ち上げられなくなることも。すると、代わりに額(ひたい)の筋肉を使ってまぶたを開こうとするため額にもシワが生じます。目元のたるみと額ジワが急に生じたら眼瞼下垂の可能性も考えられますので、眼科やクリニックに相談しましょう。
紫外線は目元のたるみにもシワにも大敵です
目元に限らず肌がたるむ原因のひとつは紫外線です。紫外線は1年中ふりそそいでいますが、とくに春先からはその量が増加します。
紫外線のなかでも長い波長をもつUVAは、肌の奥にある真皮(しんぴ)にまで達し、真皮線維芽細胞(しんぴせんいがさいぼう)にダメージを与えます。すると肌を構成しているコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの産生が衰えるだけでなく、成熟したコラーゲンが分解・変性され、肌の機能が低下。たるみが生じてしまいます。
さらに、紫外線によるダメージが重なり肌の支持力が弱まると、相対的に眼輪筋が強く働くことになります。そのため目尻にはシワが目立つようになります。紫外線は目元のたるみやシワをも引き起こしてしまうのです。
目元のハリを保つ3つのセルフケア
しっかり保湿する
乾燥しやすい目の周りの肌を保湿することも大切です。ちょっとしたことでお肌は乾いてしまいますが、特に乾燥が進み、たるみやシワの悩みが増えるのは40代から。年齢とともに失われるうるおいを、日々のケアでしっかり補っていきましょう。
紫外線ケアを徹底する
日焼け止めは波長の異なる紫外線UVBとUVAの両方に効果のあるものを選び、長時間屋外で過ごす際には2〜3時間ごとに塗りなおすようにしてください。屋内にいても窓ガラス越しに紫外線を浴びてしまうこともあるのでお忘れなく。また、まぶたは日焼け止めを塗り忘れやすい場所のひとつです。サンスクリーン剤が目に入らないよう気をつけながら、丁寧に塗って紫外線を防ぎましょう。紫外線対策は子供の頃からしっかり行っておくことも重要です。
目をこすらない
目の周囲の皮膚は薄く皮脂腺も少なくデリケートです。目をこする摩擦やダメージがたるみにつながることもあります。花粉症の人もできるだけ目をこすらないようにしてください。目のこすり過ぎで腱膜(けんまく)が伸びてしまうと「眼瞼下垂」になることもあります。
ちなみに、眼輪筋エクササイズは目尻のシワにつながるため、老け顔を防ぐ目元ケアとしては逆効果でおすすめできません。
これらの3つのセルフケアで目元をいたわり、見た目年齢を若々しく保ちましょう。
梶原朋恵 医師
自由が丘クリニック皮膚科・美容皮膚科。聖路加国際病院内科・皮膚科、虎ノ門病院皮膚科などを経て、現職。内科の知識も生かし、身体の内側からもアプローチする美肌治療を得意とする。あらゆる肌悩みに応える的確な診断と丁寧な治療で患者の美と健康をサポート。
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