自分の口元にドキッとしたことはありませんか?
鏡やオンライン通話時の画面に映った自分の顔を見て、「ほうれい線が目立つ」「こんなに口角が下がっていたとは」とドキッとしたことはありませんか? 口元がたるみ口角から下あごにシワがのびる「マリオネットライン」や、ブルドック犬のように顔の輪郭がたるむ「ブルドックフェイス」は知らず知らずに進み、老け顔をつくります。早い人は20代から始まるというたるみ。その原因と対策法を表情筋研究家の先生とともにみていきましょう。
口元のハリを支えているのは筋肉と皮膚です
顔には細かな筋肉が数十種類あります。表情を作り出すほか、飲んだり食べたり、呼吸をしたり、どれも生命維持活動に使われる大事な筋肉です。そのうち顔の前面についている筋肉を「表情筋」といいます。
表情筋の特徴は、1つの筋肉が動くと他の筋肉が連動して動くことです。例えば、目を細める時に眉間にシワが寄りやすいのは、表情筋が連動しているためです。
口元にある表情筋は「口輪筋(こうりんきん)」です。唇を囲むようなドーナツ状で、放射線状に多くの表情筋とつながっています。そのため、口輪筋が緩むと他の筋肉も緩んでしまい、顔全体が衰えやすくなる傾向があります。
このほか、頬を上げるときに使われる「大頬骨筋(だいきょうこつきん)」、口角を外側に引くときに使われる「頬筋(きょうきん)」などが、口元の動きとハリを支えています。
筋肉を覆い、顔の表面をつくるのが皮膚です。皮膚は大きく分けると「皮下組織(ひかそしき)」「真皮(しんぴ)」「表皮(ひょうひ)」という3層でできています。皮膚の本体ともいえる真皮は、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなどで構成されていて、これらが肌のハリを支えています。その下では筋肉を含む皮下組織が肌の土台として働いています。
口元がたるんでしまう原因とは?
口元のたるみは、さまざまな原因が重なりあって起こります。気になる3つを紹介しましょう。
加齢
誰にでも起こってしまうのが加齢による変化です。30代後半頃から、真皮にあるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸など、弾力を保つための成分が減少してしまいます。すると、シワやたるみなどが目立ちはじめます。
乾燥や紫外線
潤いが不足すると肌のハリや弾力も失われます。乾燥はたるみの大敵です。また、紫外線もたるみの原因になります。なかでも波長の長いUV-Aは真皮にまで達することで、コラーゲンとエラスチンの生成を弱めてしまうため、肌のたるみにつながります。
顔の運動不足
自覚していない人が多いのが、顔の運動不足です。カラダと同様に顔の筋肉も使わなければ衰えていき、たるんでしまいます。日本人はとくに会話の際にアゴだけを動かして話す人や口をすぼめてボソボソと話す人が多く、顔の筋肉を動かせていません。人によっては、筋肉をほとんど動かさずに1日が終わってしまうこともあるでしょう。口が半開きになりやすい人などは、口元の筋肉が衰えている可能性があるので、要注意です。
顔の運動不足を解消して、口元のたるみを改善しましょう
加齢によって皮膚は衰えていきますが、筋肉はいくつになっても鍛えることができます。顔の筋肉を意識的に動かして口元のたるみを予防する2つの表情筋トレーニングをご紹介します。
〈頬のVトレーニング〉
- 1:姿勢を正してアゴを引き、目を大きく開きます。
- 2:口を開けたら、上の歯が左右4本計8本見えるように開きます。
- 3:目を細めないように注意しながら、頬を上にあげていきます。目を細めるとシワがよってしまううえ、鍛えたい口元の筋肉が働きません。
- 4:上がった頬の位置をキープするように開いた両手をそっと添えて、そのまま5秒キープします。
- 5:両手を離して、さらに5秒キープします。
- 6:これを3〜5回繰り返します。
こめかみから口元にかけてのびる大頬骨筋を使っていることを感じられたら、しっかり筋トレができています。
〈ウートレスイング〉
- 1:姿勢を正して、アゴを引きます。
- 2:唇をすぼめて前に突き出します。
- 3:そのまま5秒キープします。「ウー」と声を出してもいいです。
- 4:唇を突き出したまま左へ動かして、5秒キープします。
- 5:唇を突き出したまま右へ動かして、5秒キープします。
- 6:これを3〜5回繰り返します。
口周りの口輪筋と、そこにつながる頬筋を使います。左右に突き出した際にも顔は正面を保ちます。伸びている側の頰の筋肉がしっかり伸び負荷を感じられたら、しっかり筋トレができています。
丁寧なスキンケアと笑顔も忘れずに!
表情筋トレーニングとスキンケアを組み合わせておこなうのもおすすめです。正しくトレーニングすればシワは入りませんが、肌が乾燥した状態で筋トレをすると肌にストレスになることもあるので、トレーニング前に保湿をし、筋トレ後に美容液などをつけましょう。表情筋トレーニングで顔を動かすと血行が良くなり、美容液も浸透しやすくなるようです。また、たるみを防ぐためにも、もちろん日中は季節を問わず紫外線対策をお忘れなく。
歳を重ねても口元がたるむことなく口角が上がっている人は、笑顔が多い人です。カラダと心はつながっているので、表情筋トレーニングをすることで気持ちまで明るくなる人も少なくありません。鏡や画面に自分の顔を映し口角をあげてみたり、マスクの下でこっそり筋トレをしたり、ぜひ表情筋を動かすこと、笑顔を作ることを習慣にしてみてください。
間々田佳子さん
表情筋研究家、ままだよしこメソッド株式会社代表取締役。顔ヨガ講師を経て、表情筋研究家に。自身のたるみ顔を改善した経験を踏まえた顔の筋トレがメディアで話題となり、以来大手企業の社員研修や女性向けの大型イベントで講師をするなど、全国各地で活動。
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