「骨粗鬆症」ってどんな病気?
「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」という言葉を耳にしても「自分は大丈夫」と思っている方はいませんか?
骨粗鬆症とは、骨の強度が低くなるなどして骨折のリスクが高まる病気で、くしゃみをしたりちょっと手をついたりした拍子に骨折してしまうほど骨が弱い状態です。高齢者に多いことは知られていますが、その約80%が女性で、かつ40代から増えることは案外知られていません。
骨粗鬆症の代表的な検査方法は、骨の中にあるカルシウムなどのミネラル量を測る「骨密度」検査です。カルシウムは骨を強く保つために欠かせない成分ですが、現代の日本人の食生活では慢性的にカルシウムが不足しています。40代半ば以降の日本人女性は、そんな食生活に加え年齢によるカラダの変化から、骨粗鬆症になりやすい条件が揃ってしまいます。その背景を、骨の仕組みからみていきましょう。
そもそも骨は何でできているの?
骨は70%の無機成分(主にカルシウム)、20%の有機成分(主にコラーゲン)、10%の水分からできています。建物に例えると、コラーゲンが鉄骨で、カルシウムがコンクリートのような役割を果たし、それぞれが結びついて丈夫な骨を形づくっています。骨も皮膚と同じく絶えず新陳代謝をしていて、約3年で全身の骨がつくりかえられているというのも意外な事実です。
ちなみに、「骨=カルシウム」というイメージが強く、まるで骨を支えるためにカルシウムが存在しているように感じますが、カラダのメカニズムとしては違う意味を持っています。骨が、カルシウムやマグネシウムの貯蔵庫の役割を果たしています。
カルシウムは、神経の働きや筋肉の動き、血を止める時にも必要な出番の多い成分で、健康なカラダの運営に欠かせません。そのため、カルシウムが血中から減ってしまうと、骨に貯蔵されているカルシウムが溶け出し仕事に駆り出されます。カルシウムが不足すると骨が弱くなってしまう舞台裏には、このようなカラダのメカニズムが関係しています。
「骨粗鬆症」の約80%が女性で、40代から増える理由
カルシウムは、「体の柱」となって私たちを支えてくれています。40代以降の女性に骨粗鬆症が多い理由、それは女性の閉経期と関係があります。女性ホルモンのエストロゲンには、骨の新陳代謝に作用して骨からカルシウムが出ていくのを抑える作業があります。女性は閉経期を迎えると女性ホルモンの分泌が低下します。それは、骨からのカルシウム流出を抑えていた重要なストッパー役が減るということです。それを補うためにも、カルシウムを積極的に摂る必要がでてきます。
元気なうちから「骨粗鬆症」を予防しましょう
骨粗鬆症を防ぐには、強い骨をつくる食事と運動が大切です。
基本は1日3度のバランスのいい食事です。その中で、乳製品、小魚、小松菜などカルシウムを多く含む食品を積極的に摂りましょう。カルシウムは一度に大量に摂っても吸収されないので、コツコツ、コンスタントに摂取するよう心がけてください。インナーケアなどもうまく活用し、1日の理想摂取量700〜800mgを目指しましょう。カルシウムの吸収を助ける成分(マグネシウムやビタミンDなど)を一緒に摂るのもおすすめです。
そして、適度な運動も欠かせません。骨は刺激を受けることで細胞が活性化し骨の形成が促進されます。まずはウォーキングなど日常生活の中で運動量を増やしてみてください。
決して他人事ではない骨粗鬆症。人生100年時代を楽しく過ごすため、丈夫な骨づくりを始めましょう。
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